人を助けるとはどういうことか エドガー・H・シャイン

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

 

「人助け(支援)」は、強い思いにも関わらず、しばしば上手くいかないことがあります。

どうしてなのでしょうか。

この本は、そんな「支援」を科学した、珍しくもためになる本です。

 

この本では、「人を助ける(支援)」とは、有償・無償に関わらず「支援する者(支援者)」と「支援される者(クライアント)」があれば、あらゆる行為は「支援」と呼べると言います。

 

代表的なものでは「医者」と「患者」。「コールセンター」と「ユーザー」。「セールスマン」と「お客さん」。「先生」と「生徒」。「上司」と「部下」。「ボランティア」と「困っている人」。

 

なぜ、支援が上手くいかないことがあるのでしょうか。では、どうやったら、うまくいくのでしょうか。

 

1つ目のキーワードが「地位の差を埋める」ことです。

「地位の差」が邪魔になるなんて、考えたこともありませんでしたね。

でも考えてみると、そうかもしれません。

たとえば医者と患者。お医者さんが高圧的に「私のいう事を聞きなさい、でないと死にますよ」というのも、まあ、ある話ですが、少し患者さんのほうに下りてきて、「こういう治療は、こうなって、別の治療は、こうなるかもしれません、どちらを選びますか?」と自分に選択を委ねられると、自分のことを尊重してくれている、と信頼するかもしれませんね。

また、家のお手伝いさんであれば、何の評価もなく淡々と家事させられているより、依頼者に「今度のホームパーティー、こんな人が来るんだけど、どんな料理がいいかな?」とか、「家のレイアウト変えたいと思うけど、いい案ないかな?」とか、「地位を上げる」発言を受けると、頑張ってやろう、というモチベーションが湧くのではないでしょうか。

 

2つ目のキーワードが、「プロセス・コンサルタント」です。

簡単に言うと、「支援者が解決してあげる」のではなく、「クライアントが自分で解決するように手助けをする」ことです。

例えば、「先生と生徒」では、「先生」は、「生徒」に「自分で解き方を見つける力」を身に付けさせることが、「解き方を教える」ことよりも、遥かに重要であるのは、当然のことです。社会人なら、なおさら「困難を自分で解決していく経験を積む」ことが成長の近道です。そのための上司の支援方法は、「解決策を示す」ことではなく、「ヒントを与え、行動を導く」ことです。

 

そして、3つ目のキーワードが「控えめな質問」です。支援者はクライアントに対等な立場で質問を続けます。

「もう少し詳しく教えてください」「それで、どう思いますか?」「何故、あなたはそう思いましたか?」「それについて、あなたはどう思いましたか?」

問いかけを続けることで、問題の「ボトルネック」に、本人がたどり着くのです。

あくまで主導権はクライアントに取らせ続けます。

クライアントの立場なら、自分で解決し、また今後自立するために、どのような支援を求めるか、を考えることによって、求める支援は180度違ってくると思います。

 

「効果的な支援関係」に必要なものは、「自分の役割を、状況を見極めて見出すことができるか」。そして「対話し、コミュニケーションを尽くす」こと。

 

あらゆる人間関係にあてはまる、結論に至りましたね。