ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

彩ふ読書会 ~京都北山 課題本読書会(19/2/17)

私ちくわは関西を中心に活動している読書会、「彩ふ読書会」に、

昨年5月からサポーターとして活動しています。

 

彩ふ読書会の目的は「本が好きな方の居場所作り」です。

「家庭でもない、職場でもない、第三の場所」をコンセプトに、色んな価値観を持った方々が集まり、意見を交換し合うこと、また空間を共有しあうことで新しく生まれる何かを楽しもう、という集まりです。

ジャンルは問いません、いい意味で、「何でもアリ」なので、男女問わず、また若い方から年配の方まで、気軽にアットホームな雰囲気で、リピーターさんも多数いらっしゃいます。

 

iro-doku.com

 

2/17(日)は第3回京都開催でした。

午前の部:推し本読書会

午後の部:課題本読書会

夕方の部:実験的経験会「漫画読書会」(こちらは私は不参加ですので、レポートは割愛します。)

  

では午後の部のレポートです。

参加者は11名 男性5名 女性6名(多分)。

2テーブルに分かれてスタート。

 

今回の課題本は

「幽霊人命救助隊」高野和明 です。

 

「ジェノサイド」「13階段」で大好きになった高野和明さんです。 

 

幽霊人命救助隊 (文春文庫)

 内容:AMAZONより

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒涛の救助作戦。傑作エンタテインメント。  

 

今回も当テーブルでは、「もち子」に登場してもらいました。

 

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以下「もち子」のルール。

・発言者が「もち子」を持つ。

・ほかの人はその人の発言が終わるまでしっかり聞く。

・次に発言したい人は挙手し、「もち子」を受け取る。

 

まずは、このタイトルと表紙です。

「自分だったら絶対選んでない」(確かに野暮ったい?)

でも読んでみたら、文句なしの傑作!との意見が複数人からありました。

 

テーマは「自殺を止める」。

 

そして、「会社」「親子」「男女」「お金」というように、サブテーマが多岐にわたり、その多くに「うつ」が関わってきます。

 

テーブルに精神科のお仕事をされている方がいらっしゃり、専門的なところも交えて、なかなか深い話ができました。

 

また、熟年の参加者のからは、過去の貴重な経験談も聴かせていただきました。

 

心に残ったコメントを下記に記します。

 

・テーマはとても重いが、漫画のようなタッチで非常に読み進めやすくなっている。もっと多くの人に手に取ってほしい。

 

・本当によく勉強されて書かれていると思った。

 

・小さい頃に自己肯定感を育むことが出来なかったら、コミュニケーションに困る大人になりやすいのでは。

 →子供のころの環境は本当に重要だと感じます。だからといって、子供の頃がダメだったから一生ダメだ、というわけでなく、いつからでも再スタートできる、という力強い意見もありました。

 

・自殺は決してカッコよくない、それはひどく、見苦しいものだという描写で、自殺防止効果を狙っている。

 →確かに、そのような表現はいくつかありましたね。

 

・会社では独特の雰囲気や責任感から、自分や家族という大切なものを見失うことはある。

 →「会社という魔物」についての議論も白熱しました。ここは価値観の分かれやすいところです。

 

・おばあちゃんを助けたあとにすぐ、安らかに亡くなるシーンは感動

 →この場面も色んな意見が出ました。自分の親・祖父母を亡くした経験を語られ、さらにこれも意見の分かれやすい「延命」の話題にもなりました。

 

・自殺を思いとどまらせても、その先に待っている苦労も計り知れない。

・でも、「ともかくどんな理由があっても自殺はいけない」という一貫したメッセージがある。

 →この本の重要なテーマです。異なる価値観ももちろんあります。でもこのメッセージを貫いたからこそ、この物語は心に刺さってくるのですね。

 

後半はさながら、経験談を互いに重ねる「哲学カフェ」のような雰囲気となりましたね。

 

心に残る課題本読書会となりました。

 

 

レポートは以上です!