こんばんは。ちくわです。
今日はちょっと趣向を変えて、アカデミックな本です。
<国語の授業がこれだったら、もっと早くから読書好きになっていた?>
◆子供のための、「リーディング・ワークショップ」
この本は、小学校の授業内で、「読書のワークショップ」を実践した記録です。
名付けて「読書家の時間」。
5年間の実験で、本を読まなかった子が、読むことが好きになり、めざましい成長を遂げる例が次々と出てきます。
その中で、様々な創意工夫がなされており、その実例を垣間見るに、子供の教育に参考になることが本当に多く掲載されています。
基本形は、
①先生からのミニ講義 5~10分
②ひたすら読む時間 30~35分 (一人で読む、ペア読書、ブッククラブなど)
③共有の時間 5~10分
◆読書はひとりでやるより、みんなとやった方が楽しい
・「ペア読書」:友達と同じ本を同時に読み、感想を語り合う。
・「ピッタンコ」・「ガッタンコ」:ペアまたは全員で、感想を語り合う中で、考えが合ったねの時「ピッタンコ」、違う考えだったねの時「ガッタンコ」。
・ブッククラブ:交代で、良かった本の感想を皆の前で紹介する。(プレゼンですね)
これは、教室内の「読書会」です。考えを語り合うことを重視し、人によって様々な意見があることを体験できます。
◆本選びは「体験」から
<教室本棚>
・各生徒が図書室から選んで教室に運んでくる。
・好きな本を選べない子は、図書室に先生と一緒に探しにいく。
・皆で地域の図書館に足を運び、司書に尋ね、本を探してもらい実際に本を借りてくる。
・自分が読み終えて良かった本に「おすすめPOP」を作って、本の前に貼っていく。
ここまでくると、もはやプロの世界ですよね。
◆続けて読みたくなる工夫
・読書ノート:一人一冊、読んだ日付・感想をつけていく。
・読書貯金:読んだページ数を貯金として記録していく。貯まっていくのが楽しい。
・各自の目標:今年が終わった時、何ができるようになっているか、自分で目標を立ててもらう。
◆あくまで個人に合わせた指導
「読書家の時間」は画一的な教育ではありません。←ここ重要です!
「読んでいる時間」の中で、先生が一人一人の読書風景を観察し、個人指導(カンファランス)を日々行っているのです。
指導を個人指導(カンファランス)ベースにすると、
・嗜好分野にあわせた本を勧めてきっかけづくりをすること。
・個人に与えた課題を次回以降フィードバックすること。
など、一人一人に向き合うことが出来、「ついていけないから無益な時間を過ごす」ことが無くなります。
読むのが速くない子への指導例として、
・まず、あらすじを先に説明してから、読んでもらう。
・字を指でなぞることを勧める。
・難しい質問はせずに、お気に入りの所はあったかな?と聞く
など、個人に合わせた成長の応援ができます。
ただ読書をするのではなく、読書が苦手な子供にも、読書習慣をつけてもらう工夫と努力を凄く感じます!
◆国語の授業でやってほしかった
国語の授業というのは、日本語のイロハを覚えるために、さまざまのことをやる必要があると思います。文法、接続詞の使い方、漢字、、、。
もう何をやったかは、昔過ぎて忘れました。(笑)
でも、読書量があれば、それらをそれなりにカバーできそうな気がしますよね。
また、「自分で本を選ぶ」ことに重点を置くと、おのずと「読もう」というモチベーションになります。
もっともっとこれが授業で広がっていけばと思います。
また、自分は先生でも何でもない只のサラリーマンですが、子供の読書体験を増やすことに、何かの形で助力できたらと思わずにはいられない、一冊に出会いました。
では、また!