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「あれか、これか~『本当の値打ち』を見抜くファイナンス理論入門」 野口真人

<初心者だからこそ、読まなきゃいけない「お金」の話>

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

ブログネタ探しに、過去の読書ノートを見返していたら、3年前からの発掘がまたありました。

 

これは、私の「お金」に対する考え方を変えてくれた一冊です。

 

あれか、これか――「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門

 

<内容紹介 amazonより>

すべての「選択」に役立つ
4つのノーベル賞理論がこれ1冊で。

2500件超の企業価値評価を手がけた
ファイナンスの第一人者が教える「リスク・お金・価値」の本質!!

MBAスクールで10年以上「ファイナンス」講座を担当し、
国内トップの企業価値評価機関を立ち上げた著者が書いた、
あなたの人生に役立つファイナンス入門書の決定版!

 

◆「ファイナンス」 とは?

「ファイナンス」ってなんでしょう?

私も、金融系のなんか?会計のなんか?ぐらいとしか、この本を読むまではわかっていませんでした。

 

まず、そこからです。

①「財務会計」と、②「ファイナンス」の違いを理解するとわかりやすいです。

①「財務会計」・・その企業の過去における取引活動や、現在の企業の資産状況を記録するもの。

②「ファイナンス」・・その企業の活動が「将来」どのくらいの価値を生み出すか計算するもの。

 

損益・貸借・決算など、「過去」「現在」を表すものが「財務会計」、

金利・収益率・投資・知財など、「未来」の稼ぎを表すものが「ファイナンス」

なのです。

 

「福山雅治さん結婚、アミューズ株8.3%下落」という2015年のニュースは、「福山さんが結婚して女性ファンは減り、仕事も減るだろう」という「未来」の収益予測、

つまり「ファイナンス」の考えに立つと、理解できるニュースですよね。

 

◆現金は最も価値の低い資産?

ファイナンスの考え方では、「現金」は「最も価値の低い資産」となります。

私が最も衝撃を受けたのが、この部分。

 

何故価値がないか、それは、現金はそこに置いていても、1円も生み出さないからです。

それを銀行に預けたり、土地を買って誰かに貸したりして、はじめて価値(リターン)を生み出すのです。

 

ファイナンスの世界では、「将来、価値(リターン)を生み出すこと」が重要なのです。

価値を生み出さない「たんす預金」は最もやってはいけないことなのです。

 

現金は一番安全ではないのか??それじゃダメなの?

たしかにそうです。一番安全かもしれません。(厳密にいうと、そうではないのですが)

 

でも、その「安全」こそが、ファイナンスの考え方では「価値が低い」たるゆえんなのです。

 

重要な事、それは「安全」の反対、「リスク」だからです。

 

◆「リスク」が最も重要

ファイナンスの考え方では、「リスク」が最も重要です。

ここで、「リスク」という言葉について考えます。(哲学カフェみたいですね)

一般的には、「良くないことが起こる確率」のような使われ方をしますよね。「失敗するリスクがある」とか、「リスクを負ってまでやる仕事じゃない」とか。

 

しかし、ファイナンスの世界では、「リスク」に「良い・悪い」は関係なく、単純に「不確実の度合い」を指すのです。

 

「大負けする危険性」もリスクなら、「大勝ちする可能性」もリスクです。

つまり、「何も変化がない状態からどれだけ、かけ離れるか」がリスクです。

 

たとえば、ある株に投資するとき、2倍になるリスクもあれば、半分になるリスクも

あるとします。

その場合、「リスクは +100%~▲50% 」ということになります。

たんす預金なら、「リスクは±0%」ですよね。(厳密にはそうではないのですが)

 

たとえ現在の資産価値が同じでも、ファイナンスの世界では、将来に価値を生み出す株に軍配が上がるのです。

 

◆ファイナンスはお金の世界だけではない

ビジネスの世界では古くから、

経営資源は ①ヒト ②モノ ③カネ であるといいます。

 

得やすいものは、③→②→①の順番だろうと思います。

しかし、ファイナンスの世界の重要性は、①→②→③の順番になります。

 

「ヒト」はもっとも得難く、人材の差で生み出される利益は、大きく違ってきます。

企業が、目先の販売より、人材育成に力を入れるのはそのためです。

 

◆ファイナンスを自分の身の上に置いてみよう

私達は、将来、特に老後のためを思って「貯金」をします。

65歳からは1年にどのくらい使うから、どのくらい貯まっていたらいいと考えていますか?

ある程度の蓄えは必要ですが、その計算も無しに、やみくもに貯金していないでしょうか。

 

必要以上にお金を貯めるのであれば、是非今使うべきです。

自分に投資をすること。よく言われていますが、まさにそれがファイナンス的な考え方です。

自分の価値を少しでも高め、将来にわたってお金を生み出すよう、投資を惜しむべきではないと思いいます。

 

勉強のため、スクールに通う。

時間が無いのならば、その時間を生み出すこと(家事の機械化とか、作業の代行とか)にお金を使う。

海外旅行をして、いろんな人に会う。

副業をしてみる。

 

あと子供のお年玉は、親が貯金して貯めておくのではなく、物心ついたら、自分で考えて使わせたほうがいいです。

自分で使って、失敗して学ぶことが大きいです。

どうせ大人になったら、数千円~数万円なんか、誤差の範囲のお金ですから。

 

◆まとめ

・「ファイナンス」とは、「将来どれくらい価値を生み出すのか」である。

・「現金」はリスクが低く、ファイナンスでは最も価値の低い資産である。

・「リスク」とは、将来変化する確率のことである。

・お金を貯めこむより、自分のために使って(投資して)いくほうがいい。

 

難しいことも書いてありますが、そんなことはさておき、このような発想の転換ができたことだけで、私にとってこの本を読んだ価値は十分ありました。

 

「資産運用ってどうやるんだろう」と漠然と思っている初心者にこそ、テクニック論に入る前に、これを読んでいただきたいなと思います。

 

では、また!