主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「下り坂をそろそろと下る」 平田オリザ

<『不安を共有する』というリーダーシップ>

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

昨日とは対照的な、ちょっと引き気味の空気感から入っていきます。

 

 

下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)

 

<内容紹介 amazonより>

成長社会に戻ることのないいま、私たちは、そろそろ価値観を転換しなければならないのではないか。あたらしい「この国のかたち」を模索し、私たち日本人のあり方を考察した、これからの日本論!

絶賛の声、続々!

内田樹氏:背筋のきりっと通った「弱国」への軟着陸を提案する“超リアリスト”平田オリザの「立国宣言」。

藻谷浩介氏:避けてきた本質論を突きつけられた。経済や人口に先立つのは、やはり「文化」なのだ。

 

◆日本はもはや大国ではない

出生数の減少、勤労世代の不足、高齢化の激増と、あと20年ぐらいすると未曽有の危機が待っています。

 

人口はこれから30年で2~3割減ります。

そうなった時、大都市であればあるほど、介護・医療のケアに手が回らなくなってきます。

 

そんな中、著者が提唱することは、「徹底的なリアリズム」です。

 

・「拡大・成長」という昭和的発想を捨てる。

・「東京の論理・大資本に付いていけば間違いない」という神話を捨てる。

 

◆これからは地方の時代

著者は演出家という立場から、芸術を通したさまざまな新しい取り組みを実践しています。

 

「城崎アートセンター」が代表例です。

kiac.jp

 

城崎温泉、大きな公共施設(箱物?)という地方の資源を活用し、海外から一流のアーティストを招き、無料で滞在してもらい、訪れる観光客に一流のアートを体感してもらう、といったWIN-WINの取り組みです。

 

 

大資本の論理ではなく、地方都市が独自に真剣に考え、地元住民と連携し、ユニークなコミュニティを作っていく。

 

そんな動きが活発になれば、人口減少も怖くないかもしれませんね。

反響が大きければ、外国の方も呼べますしね。

 

◆教育への取り組み

今でこそ、「アクティブラーニング」・「ワークショップ型」などといった、従来の一方通行の教育からの脱却を目指す教育機関は増えてきました。

しかし著者が取り掛かったころは、まだそれが珍しかったのでしょう。

 

ユニークな発想をする、他者の意見を受け入れる、自分の意見を論理的に伝える、建設的に議論を進めることに寄与する、チーム全体に献身的である。

 

などといった考え方を、著者は積極的に教育現場に取り入れていっています。

 

◆「センス」のある人材育成

ここにきて抽象的な表現になりますが、まとめると、こういうことなのではないか、と思います。

・変化に柔軟に立ち回れる人材。

・自身満々でなく、それでいて誠実で、皆とともに歩んでいける人材。

 

悲観的な話ばかりでなく、ひとりひとりが真剣に自分に向き合い、地域の小さなコミュニティで、輝きながら幸福にやっていく。

 

そういった発想の転換が、昭和生まれの我々にこそ必要なのかもしれませんね。

 

では、また!