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「CRISPR」 ジェニファー・ダウドナ

<希望か、絶望か。>

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

今日は、先日の「ナノ兵器」に続き、ナノテクノロジーについての本の紹介です。 

 

 

CRISPR (クリスパー)  究極の遺伝子編集技術の発見

 

<内容紹介 amazonより>

「君の技術を説明してほしい」
ヒトラーは私にこうたずねた。その顔は豚である。
恐怖にかられて目が覚める━━。
ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し、修正するという離れ業ができる、その技術CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)。2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス」誌に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が、遺伝病の治療のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。
豚の内蔵を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行なわれた。
人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか?
ノーベル賞確実と言われる画期的技術を開発した科学者の唯一の手記を独占出版。

 

◆「『CRISPR』とは?」

 

「遺伝子編集ツール」というひとことで片付けてしまうのは、いささか乱暴であるのでしょうが、著者のダウドナ博士とそのチームは、あまりに簡単で、画期的で、ローコストにヒトの遺伝子を編集できてしまう仕組みを発見したのです。

 

世の中には、不幸にも遺伝子のエラーに起因する病気により、生涯苦しみ続けている方がいます。そうした疾患は7000種以上もあるとのことです。

 

代表的なものでいうと筋ジストロフィー。筋肉のもとになるタンパク質を作る遺伝子が働かないことにより、筋肉をうまく作ることが出来ません。

 

このような疾患に対し、遺伝子のエラー部分に正確にたどり着き、修復ができるツールが「CRISPR」なのです。

 

私は理系人間ではないため、詳細に説明することは出来ませんが、これまでより正確に簡単に、遺伝子を修復することができるようになりました。

 

こういった疾患に苦しめられている方には、ほんとうに待ちに待った光明ではないかと思います。

 

◆「CRISPR」の応用可能性について

遺伝性疾患に苦しめられている方の治療はまず第一でしょう。

白血病など、遺伝子に起因するがんの治療法は一変する可能性があります。

 

また、農業への応用可能性は非常に高いと思います。

・作物の病気を予防し、農地あたりの収量を改善。

・大きくて効率の良い野菜を選別して生産。

・毛の長い羊の育成。

・栄養素の高い(付加価値をもった)牛乳を生産できる牛の育成。

・稲の害虫抵抗性を高める。

・蚊を病気を媒介しないようにする。

 

そういった人類のよりよい生活への寄与度は計り知れないでしょう。

人口増による食糧問題への貢献も確実です。

 

◆悪用可能性についての警鐘

後半部分では、著者自身が開発した責任からも、悪用可能性についての警告活動にも多くのページが割かれています。

 

既に非常に簡単に、安価になった「CRISPR」の技術。

今や高校の理科実験でもできるほど簡単で、コストも2,000ドル程度でできるとのことです。

 

実質「誰でも遺伝子操作」が出来る時代にほぼなった、ということです。

 

例えば子供に対する遺伝操作ですよね。

健康にする。背を高くする。運動能力を高くする。知能を高くする。

 

こういった技術が高価で取引されるだろうことは、想像に難くありません。

 

一方で、他人の体内に侵入し、病気を引き起こさせることだって可能です。

 

そういったウィルス状のものを水中・空気中に撒くことができれば、立派な兵器になることでしょう!

 

悪用防止の啓蒙活動をしたとしても、たった数人の悪用者がいれば一気に破滅に向かってしまうテクノロジーであると思います。

 

私のような文系人間にも、想像できることがいくらでもあります。

それこそディストピアSF小説のように。

 

◆希望か、絶望か

この画期的技術は人類の希望であり、同時に絶望を招くことになります。

 

そんな「絶望の時代」になってしまったら。

私にできることは、多分ほとんどないでしょう!

 

いずれ来る絶望の時代にも、後悔しないように、今日も家族を愛し、過行く日々をいつくしみながら生きていこうと思います!

 

科学者の皆さん、「とりあえずやってみよう」では、取り返しのつかないことになってしまう恐れがあります!

 

これをもっともっと多くの人に読んでもらって、将来のリスクに気づいてもらいたいと切に思います!

 

では、また!