主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「生き残る判断 生き残れない行動」アマンダ・リプリー

<最初にどう動くか、知っておく>

 

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

関西では防災意識が特に高まる1月。各所で防災訓練が行われます。 

今日は、この本から。

生き残る判断生き残れない行動 (ちくま文庫)

 

<内容紹介 「BOOK」データベースより>

死に直面するような事態に陥ったとき、私たちの意識と行動は平常時からどう変わってしまうのか。地震やハリケーンといった自然災害、テロ、大火災、飛行機事故など、大惨事を生き抜いた人々の証言と、それを裏付ける心理学や生理学の研究成果から、危機的状況下での人間の状態を「否認」「思考」「決定的瞬間」の3段階に分け、適切な行動をとることのできる人の条件を解き明かす。

 

この本では、さまざまな災害に遭遇した方の証言を紹介したうえで、人間は緊急時「どのような行動をとるか」、またそれに「どう備えるべきか」を学ぶことができます。

 

災害とは、地震・火災だけでなく、飛行機事故、船の事故、台風、テロ、群衆、などあらゆる危機的状況を網羅していますので、読むだけでも充分備えになるし、被害につながる行動を回避することもできるでしょう。

 

印象に残ったいくつかの部分を紹介し、考えていきたいと思います。

 

◆どうせ誤報だろう。

まず、最も身近で最もやっかいなのが「否認」という行動です。

 

職場で火災報知器が鳴ったらすぐに、「火事だ!逃げろ!」と言い出す人はいません。 

まず、「え?訓練?誤報?」となり、周りを見回して、皆何もしていないので、自分も何事も無かったかのように仕事に戻る、っていう人が大半ではないでしょうか。

さすがに3回ぐらい鳴ったら、ようやく腰を上げて様子を見に行くでしょうか。それでも煙の臭いがしなければ、逃げないでしょうか?

 

台風も、ここ2~3年特に猛烈な台風に見舞われ、被害を受けると同時にかなりの恐怖を味わったことで、危険回避行動を取る方が増えましたが、その前までは、まあ、大丈夫だろうと外出する方も結構いたのではないでしょうか。

田んぼの様子を見に行って、行方不明になる方、車が水没して出られなくなる、そんな行動もこの「まあ、大丈夫だろう」という否認の心理が関係しているでしょう。

 

当たり前ですが、台風の備えは台風が来る前、晴れているうちにしないといけません。しかし「晴れている」からこそ、「まだ大丈夫」という気持ちが勝ってしまいます。

雨風が強くなってから、水位が高くなってからでは遅いのです。

 

今では、かなり正確に台風は進路や風速が予想され、どれほど危険そうかがよくわかります。

にもかかわらず、「今まで大丈夫だったから」という根拠のない理由で軽率な行動を取ってしまうのです。

 

車は水没したら出られない、膝まで冠水したら歩けない、火事のときはほとんどの場合上に逃げてはいけない、飛行機の酸素マスクは15秒以内に付けないと意識を失う、飛行機の脱出は手荷物を持たない、スムーズにいけば90秒以内に全員脱出できる、、さもないとすぐ炎上する、、 

 

まずは、

知識として一つでも多く知っておくこと、安易に判断してしまわないこと。

 

◆みんな、逃げていないから。

非常ベルが鳴って、「これは、火事かもしれない。」と思ったとしても、周囲を見渡して、誰も逃げていないと、自分も逃げ出そうとしない。

 

地震が起こった時、真っ先に取られる行動で最も多いのが、「誰でもいいから近くの人としゃべる」といのこと。

これは、「とにかく情報が欲しい!」という心理からきているそうですが、情報交換した結果、間違った行動をとってしまうことも多いようです。

 

人の集まる場所での火災など、差し迫った時は、特に注意が必要です。

集団心理が働き、正常な判断が出来なくなる恐れがあるからです。

 

はじめて来る場所では、必ず非常口を確認しておくこと。

 

 

航空機の座席に置いてある「安全のしおり」は読んでいた方のほうが、火災での生存率が高いようです。

 

私も東日本大震災があってから、津波の恐怖は常にあって、海岸近くを車で走行するときは、「今地震があったら、車を捨ててあっちへ逃げよう」って考えながら走るようにしています。

街中でも、海抜が低い場所にいると、高台を確認することが多くなりました。

 

何かが起こった時、「まず最初にどう動くか」が解っているといないとでは、生存率が大きく違ってくるようです。

 

◆頭が真っ白で固まってしまう

突然、目の前で銃撃戦が始まったら、おそらく声も出せないし、身動きもできなくなるだろうと思います。

実際、このような「麻痺」になってしまう人は、パニック状態なんかよりはるかに多いようです。

 

では、この「固まってしまう」ことが往々にしてある中で、生き残れる人と生き残れない人の違いは、やはり、上記の「まず、どうしたらいいか知っている」ことがひとつ、

そして、もうひとつが、「体が覚えていること」になります。

 

ホテルで宿泊する場合は、チェックインした後一度非常階段を降りてみる、っていう方もいるようです。

もし火災が起こったら姿勢を低くして逃げるのは当然で、煙に覆われると、自分の家の玄関からすら出られない人が多いとのこと。

 

「頭が真っ白になって動けなくなる」ことを見越しても、まずやることを体が覚えている状態。それは訓練しかありません。

 

自宅では、夜暗くても非常階段を通って直ちに下りられるでしょうか?寝起きでも這って転がってでも脱出できるでしょうか?子ども達はどうでしょうか?

 

我が家では地震が起こったら、物が飛んでこないように「廊下に行く」っていうシンプルなルールを設定しています。実際何度か練習しているし、昨年6月大阪の地震の際には、妻子だけでもちゃんと廊下でじっとできたようです。

 

でも、さすがに銃撃戦が起こったらどう対処したらいいのでしょうか?香港ではまさにこの間起こっていたようですよね。とにかく地面に倒れ込んで、物陰に移動する、でしょうか。

 

「固まってしまう」状態に有効なのが、「大声を出す」「大きな音を立てる」だそうです。仲間が固まって動かない時は、大声は実に有効だそうです。(もし人質になったらしちゃいけないですが)

ハッと正気を取り戻して動きはじめられるそうです。

 

◆まとめ

多くの教訓が記されている証言ばかりでしたが、最も大切な事は以下の2つかと思います。

 

①「最初にどうするか知っていること」:どこへ行けばいいか知っていること、非常口を確認しておく、高台を確認しておく、安全のしおりを見ておく、危険に近づかないなど。

 

②「体で覚える」:頭が真っ白になっても動けるよう、訓練で体に覚えさせることです。非常階段を降りてみる、姿勢を低くして逃げてみる、着衣水泳してみる、練習あるのみ。

 

この本に書いてあることは、すべて臨場感あふれるノンフィクションです。

 

避難訓練によって9.11の貿易センタービルから2700人の社員ほぼ全員を脱出させたモルガン・スタンレー社の防災担当者の話は、壮絶で、感動します。

 

読んで皆さん、防災意識を高めましょう!

 

では、また!