<ただ繰り返すだけなのか>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
今日は、この本。
内容<amazonより>
この本は、主人公の「旅人」が、訪れた6つの町を舞台に繰り広げられる、SF連作短編小説といったら、いいでしょうか。
「ミステリー」と紹介にあるように、各話で人が死んだりしますが、それは最後のほうで一気に理解できるので、それも楽しみのひとつです。
舞台は近未来の地球。地球のほとんどを支配したかに見えた文明社会はすっかり衰退し、ところどころに点在する「町」のみが存在する世界。
どこかのんびりとしていますが、登場人物の多くが退廃的で諦念めいたものを持っている。終始そんな雰囲気です。
「風ノ街」、「犬ノ町」、「日ノ町」、「北ノ町」、「石ノ町」、「王ノ町」の全6話で構成されているこの物語。
「風ノ街」では、無風地帯を探し出そうとする人、「犬ノ町」では、犬のルーツを研究する人といった、ちょっと変わった人との出会いから作者が示唆するものを読み解いていきます。
「日ノ町」では、かつての文化遺産と出会い、人間の営みについて考え、「北ノ町」では、最果ての地で、死ぬこととはどういうことかについて考えさせられます。
そして、「石ノ町」では謎が一気に明らかになり、最後の「王ノ町」では、どうして文明は衰退したか、国というものはどういうものな、筆者の思いを王との問答を通して伝えているような印象でした。
時代+旅人というと、筒井康隆さんの名作「旅のラゴス」を思い出しましたが、
それよりもっと、旅人はあくまでも「訪れて去っていく」という印象が強かったです。
全体の印象としては、最初は回りくどい表現が多く、難しいような気がしましたが、3話目の「日ノ町」あたりから、少しずつ謎が明らかになってきて、俄然面白くなってきますよ。
では、また!