ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

オンライン哲学カフェ第14回「ミノタウロスの皿」①

<動物と人間の逆転モノだけど、どこかおかしい?>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

私が参加している「彩ふ読書会」において、参加メンバーで作るグループ活動として開催しています、「オンライン哲学カフェ」。

今回は第14回となります。

  

前回の第13回「自己責任」の模様はこちら。 

chikuwamonaka.hatenablog.com

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

◆今回も「Zoom」を使いました

今回も前回同様、「Zoom」を使用。

「Zoom」とはオンライン会議アプリで、「skype」をイメージしていただくと大体そんな感じで、とても使いやすいテレビ会議アプリです。

 

主催が会議を「○○日の●時~●時」とスケジュール設定すると、「会議ID」が発行され、参加者はPCのZoomホームページやスマホアプリから、その「会議ID」を入力するだけで、アカウントを作る必要も無く、簡単に参加できます。

音質もクリアでノイズやハウリングもほとんどなく、良いですよ。

 

◆この日のテーマは「ミノタウロスの皿」

この日の参加者は9名。時間は2時間です。

 

オンラインにおいても、実際の哲学カフェのように、進行役を決め、1人ずつしゃべる方式にしています。

しかしながら一部の人しか画像を映していないため、挙手が見えないので、発言したい人は「ハイ○○です。」と言い、進行役が指名するという感じにしています。

(画面を見ていると誰がしゃべったか大体わかるんです)

 

今回の進行役は、部長であるひじきさんにお願いし、私はいつもどおり書記を務めさせていただきました。

 

この日のテーマは、いつもと異なり、課題図書を事前に読んできてもらいその内容について語り合うという形態にしました。

課題図書は、メンバーの推薦により選ばれました。

そして、その課題図書が、藤子・F・不二雄作の漫画、

 「ミノタウロスの皿」

 

ミノタウロスの皿: 藤子・F・不二雄[異色短編集]  1 (1) (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

 

◆どういう作品?

この作品は、画像の通り「異色短編集」と副題されている通り、短編漫画であり、SFのように設定がおもしろいストーリーが多く収録されています。

表題作の「ミノタウロスの皿」は、35ページほどの短編です。

主人公が異星にたどり着いたら、そこは牛が支配する世界で、人間が家畜として飼われていた、という設定。

そこで出会ったミノアという少女に恋をした主人公ですが、そのミノアが今度の大祭の主役(主食?)として供されることになり、そのことで、主人公がミノアを助けようとする、というストーリーになっています。

 

◆それでは、哲学カフェの内容と感想です。

最初に、テーマ本を推薦してくれたメンバーから、感想を聞きました。

「人間と動物が逆転している設定のSFは数あれど、それは大抵、死にたくない・逃げたいとなるが、この作品は食べられる側の人間が、自分達が食べられるということに全く疑問をもっていない、という二重に特殊な設定が、さすが藤子不二雄」

 

そうなんです、この漫画のポイントがそこにあります。

ミノアちゃんが今度の祭りで食べられてしまう、地球から来た主人公はそれを何とかして助けようとする、でも当の本人は祭りで食されることが栄誉であり、どうして止めようとするのか理解できないんですね。

 

主人公は本人だけでなく、この星の王(牛)たちにも説得を試みますが、ことごとく失敗します。

そもそも、なぜ牛が人間を食うことが残虐で、それをやめなければいけないのか、そのことが理解できないからです。

 

その星においては、人間が食べられることは普通で、それ以外のことを想像できないのです。

文化とはたんにそこに住む人の習慣であり、そこに正しいとか間違っているとかいうことではないからです。

それを「宗教的」と表現した方がいましたが、そのような普遍的な「正しさ」をよりどころにした言動であるから、主人公も、ミノアも、その星の牛たちも話がまったく平行線をたどるばかりになります。

 

主人公のセリフで「彼等には相手の立場で物を考える能力が全く欠けている」というのがあるのですが、これを「象徴的なブーメラン発言」と表現したメンバーの意見がありました。

「牛が人間を食べることの残酷さを全く理解してくれない」と嘆く主人公がこの星の人々の価値観を全く理解しようとしていないのです。

 

大きなテーマについて、足掛かりがついたところで、哲学カフェはもう少し細かいところにまで入っていきます。

 

時間になりましたので、続きは日を改めて書いていきたいと思います。

 

では、また!