ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「DIE WITH ZERO」 ビル・パーキンス

<若いうちにお金を使わないことのリスクというものがある>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

今日は、この本。 

 

内容<amazonより>

【本書「まえがき」より】
まずは、有名なアリとキリギリスのイソップ寓話から始めよう。
夏のあいだ、勤勉なアリは冬の食料を蓄えるためにせっせと働いた。一方の気楽なキリギリスは自由に遊んで過ごした。やがて冬が到来した。アリは生き残り、キリギリスには悲惨な現実が待っていた―。

この寓話の教訓は、人生には、働くべきときと遊ぶべきときがある、というものだ。
もっともな話だ。
だが、ここで疑問は生じないだろうか?
アリはいつ遊ぶことができるのだろう?
それが、この本のテーマだ。

私たちは、キリギリスの末路を知っている。そう、飢え死にだ。
しかし、アリはどうなったのか?
短い人生を奴隷のように働いて過ごし、そのまま死んでいくのだろうか?
いつ、楽しいときを過ごすのか?
もちろん、誰もが生きるために働かなければならない。だが、ただ生きる以上のことをしたいとも望んでいる。「本当の人生」を生きたいのだ。
この本のテーマはそれだ。
ただ生きるだけではなく、十分に生きる。経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法を考える。

もちろん、誰もがそのような人生を望んでいる。だが現実には、全員がその望みを叶えられるわけではない。
私は長いあいだ、この問題について真剣に考え続けてきた。友人や同僚とも何度も議論を重ねた。

この本で読者にお届けするのは、その成果だ。あらゆる問題を解決する答えなど存在しない。だが、私はあなたの人生を確実に豊かにする方法だけは知っている。

◆この本は

「ゼロで死ぬ」というタイトルが示す通り、「お金は老後に貯めこむな」という強いメッセージを発し、そしてどうしてそう言えるのかを納得させてもらえます。

 

ボリューム:★★★☆☆

読みやすさ:★★★★☆

納得感  :★★★★★

お金を使いたくなる:★★★★★

 

分厚く見えますが、案外ボリュームは小さく、かつ読みやすい 

 

◆内容と感想

・お金は若いうちに使ったほうがいい

この本の最大のメッセージは、「お金は若いうちに使ったほうがいい!」ということです。

 

筆者が仕事を始めたてのころ、節約して1000ドル貯めたことを伝えたところ、上司に言われた言葉が印象的です。「お前はバカか?はした金を貯めやがって。これからもっと稼げるようになる。このまま一生、年収1万8000ドルが続くと思っているのか?」

 

確かに、若くてお金のないうちにから、節約して100万程度のお金を貯めても、もっと後にはあまり意味がありません。

もっと大切な、若い時にしかできない経験にお金を使うべきだと筆者は断言します。

 

・思い出の福利効果

筆者が20代の時、友人が借金してまで3か月の貧乏旅行をしたのについていかなかったことを後悔し、その友人はその経験はどれだけのお金にも代えられない、と言いました。

 

お金はただの物質で使ったらなくなりますが、お金を使って得た経験は「思い出」として一生残ることになります。

 

そして、その思い出は生涯何度も思い返し、幸福を感じることができるお得なシロモノ。思い出がいっぱい詰まった状態で晩年を迎えられたら、人生に後悔はないだろう、と筆者はいうのですね。

 

・老後はいうほどお金を使わない

そして、お金は若いうちに使ったほうがいい最大の理由が、筆者の伝えたいことのもうひとつ、「老後にお金を貯めた結果、あまり使うことができずに死んでいく人が実際ほとんどだ」という事実です。

 

年齢別純資産の統計において、75歳になるまで右肩上がりになっているという事実です。70歳になってもお金が増え続けているということです!

 

これは、年齢が高くなることにつれて、「収入が増える」ということは容易に想像できますが、70歳になっても増えているということは、同時に、「支出が減っている」ことにも注目すべきでしょう。

 

これは祖父母をみているとなんとなくわかります。

年を取るとお金を使わなくなります。

海外旅行なんて面倒、まして自然豊かなところをめぐるなんて、足腰がムリ。

自然と行動範囲が狭くなります。老後は身の回りだけ小ぎれいに快適にして、近しい友人と楽しく過ごしていればそれでいいのです。

 

・お金の価値の変化

お金は基本的に年齢が上がるにつれて使う価値が下がってきます。

インフレみたいなもんです。小学生のお小遣いが学年を追うごとに上がっていくように、若いころの5万円と50歳のころの5万円は全然価値が違っています。

 

だからこそ、若いころにはした金を貯めずに使えというのは非常に納得できます。

 

思い出しましたがお年玉は大人になるまで親が管理して貯めておくより、使わせたほうがいいという話がありましたね。

確かに大人になって10万たまっていたことがわかっていても、あまり感動しないです。それを子供の時に使えたら、どんなにかありがたかったでしょう。

 

・資産を減らすタイミング

上記のように、資産が増えて使いきれないのに、つまらない仕事を続けて貴重な人生を無駄にしないよう、資産を減少に転じさせるタイミングを見極めることが重要であると筆者は言います。

これはひじょうに興味深いポイントです。

 

それは思っているより早く「45歳~60歳」であるといいます!

 

だとすると、私はもうそこに差し掛かってきたので、もう貯金は必要ないということか、となります(!)

 

お金の使い方(出口)だけでなく、稼ぎ方(入り口)にも思いを巡らし行動を変えることによって、もっと人生(余生)を豊かに過ごすことが考えられそうですね。

 

お金をどう使うかを考えることは、今後の人生をどう過ごしたいかを考えることと近いものがあります。セミリタイアを考える人も少なくないご時世ですが、それはお金持ちの話だけではなく、私たち庶民にも、考えてもいいのではないでしょうか。

 

では、また!