<持続可能な勝ち方>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
気鋭の組織心理学者が教えるビジネスの成功の秘訣。
「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」
もっとも成功するのは誰だろう。
他人に優しくしていたら、厳しい競争を勝ち抜けない――?それは大きな誤解だ。
これからは、他者志向の思いやりの発想とコミュニケーションが、あなたの仕事に大きな成功をもたらす。
リーダーシップ、営業、交渉、事業の立ち上げ、昇進まで……ありとあらゆるシーンで
この考え方が役に立つだろう。
一橋大学大学院教授・楠木建(『ストーリーとしての競争戦略』『経営センスの論理』)の
監訳と解説で、日本初デビュー!
「世の“凡百のビジネス書"とは一線を画す一冊だ!」
◆この本は
ボリューム:★★★★☆(やや厚い)
読みやすさ:★★★☆☆(難しくなく、面白い)
学び気付き:★★★★★(新たな気付きが満載です)
お人好しな性格ゆえパフォーマンスが低くなりがちな「ギバー(与える人)」ですが、一方で最も成功するのもまた「ギバー」だった!
豊富な事例とともに、「ギバー」の行動特徴を分析し、どうして成功に至るのかに迫っていきます。
監訳は、私も大好き、明快な論調と愉快な文章で読者を魅了する、楠木健氏です!
◆内容紹介・感想
<最も成功するのはギバー>
上記要約にもありますように、人々を「与える」と「受け取る」に着目し分類すると、以下の3タイプに分かれるということ、それがこの本の根底にあります。
①「ギバー(与えてばかりの人)」
→与える時点では、損得を考えていない人
②「テイカー(受け取ってばかりの人)」
→与えることがあってもそれはリターンが見込めそうな人に対してだけ
③「マッチャー(損得のバランスを考える人)」
→基本的にはこれが一番多い
「ギバー」というと、他人に花を持たせてしまう、お人好しや自己犠牲といったイメージがあるもので、どうしてもパフォーマンスが低くなりがちです。
勝ち負けにこだわり、信念を曲げず突き進む「テイカー」のような人物がいち早く結果を出し昇進することが多いようで、その点は納得できますよね。
しかし、研究結果では、「最も高いパフォーマンスを出す人たち」に一番多い特徴も「ギバー」だったというのです!
その秘密は「勝ち方」に大きな特徴があるようですね。
「テイカー」は勝負にこだわり、競争相手をどんどん倒して強くなっていくスタイル。
いっぽうで「ギバー」は、同僚やビジネスパートナーと良好な関係を作り、チームとして強くなっていく、全体のパイを大きくするような、勝ち方。
私が思い浮かんだのはマーケティング。
「テイカー」の考え方は競合メーカーより安い価格でシェアを奪っていき、「ギバー」の考え方は新たな需要を見つけてきてみんなが得をするという考え方でしょうかね。
その先には敵は存在せず、反撃を食らって足元をすくわれることもありませんし、そもそもパイを大きくするという「持続可能」な勝ち方になっているなぁと思いました。
そして、うすうすお気づきだと思いますが、「ギバー」が成功するには、長い時間を要します。
チームを育て、作った人脈が成果となってくるわけですからね。
そしてそれはやはり持続可能で非常に強い力となって返ってくるはず。
<頼り合うこと>
「ギバー」のもう一つの特徴は、「頼り合うこと」だと筆者は言います。
「テイカー」にとっては、人に頼ることは弱さを見せることであり、付け込まれる原因と考えるふしがあるようで、自分中心の行動であったり、人を使うときも自分の思い通りに動かさないと落ち着きません。
しかし「ギバー」にとって「人に頼ること」は最も基本的な思考スタイルとなっているようですね。
頼り合うことは強さの源泉であり、自分が成功するためには自分が思う以上に他人の力が大きいことを知っているから、と著者は言います。
これは、名言かと。
仕事が細分化され、チーム単位で動くことがより多くなってきている昨今ですから、これから「ギバー」の果たすべき役割はより大きくなっていきそうですね。
と、いいことづくめのようなギバーですが、やはり与え続けることにはリスクも伴います。ましてや「クレクレなんとか」のようなテイカーの餌食になってしまったときには、燃え尽きてしまいかねません。
成功するギバーと、燃え尽きてしまうギバーを分けるのはどこか?
後半部分ではその辺に考察がすすんでいくのです。
続きはまだありますが、時間となりましたので、日を改めて書いていきたいと思います。
では、また!