<多様性の社会だからこそ、大切なこと>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容紹介<amazonより>
人付き合いのルールを知り少しの作法を身に付けるだけで、複雑な人間関係の中で必要以上に傷つかず、しなやかに生きられるようになる処方箋のような本!
友だちは何よりも大切。でも、なぜこんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。人と人との距離感覚をみがいて、上手に“つながり"を築けるようになろう。
「みんな仲良く」という理念、「私を丸ごと受け入れてくれる人がきっといる」という幻想の中に真の親しさは得られない! 人間関係を根本から見直す、実用的社会学の新定番書。
これでもう、「みんな仲良く」のプレッシャーとはさようなら。
◆この本は
ボリューム:★★☆☆☆(ライト)
読みやすさ:★★★☆☆(読みやすい)
気づき学び:★★★★★(多様性の時代を考える)
役に立つ :★★★★★(これからのふるまい方に)
コミュニケーションのあり方について、急速に変化しているなぁと思うこの頃。多様性が尊重され、ひとりぼっちでも生きていけてしまう社会。そんな中で、日々感じている違和感や戸惑いの正体を探り、新しい社会の中で自分はどうふるまえばよいのか、考えるヒントになります。
◆内容紹介・感想
不用品の売買だけにとどまらず、自分の「スキマ時間」までも、スマートフォンで売買できるようになった時代。貨幣経済が隅々にまで浸透し、ほとんどお金で買えないものが無くなってしまったといえる社会。
その結果、無理に人と交わらなくても、ひとりで生きている社会になりましたね。
学校ではクラスのみんなが無理に団結しなくてもいいし、会社でも奉仕精神というよりはやるべきことだけをやってさっさと帰れと言われるし、近所づきあい・自治会といったものは積極的に参加しなくても暮らしに支障はありません。
さらに、多様性が尊重される世の中になって、旧来からの帰属意識とか、価値観の同質化とか、そういったものを求めるのも難しくなっています。
しかし一方では、みんな仲良くしなければならない、人びとは助け合わなければならない、という旧来の価値観は残っているのも事実です。私たち親世代や、さらに上のおじいちゃん・おばあちゃん世代は、特にそうではないでしょうか。
筆者は助け合いや団結を否定するわけではありません。
他者と交わるのは面倒だけど、他者と交わらないとやっぱり人生楽しくありません。
これらの葛藤する価値観の間で、どうふるまうのがストレスなく、それでいて幸福を享受できるのだろう、というふうに科学的に分析していき、ふるまい方の「処方箋」を示していきます。
その中で1つ印象に残ったこと、それは「ルールのミニマム化」という考え方です。
多様性を尊重するうえで、多くのルールで縛ってしまうことはやりづらさにつながります。また、「空気」のような不文律が蔓延することは心理的な窮屈さにつながります。だから、そのコミュニティで最低限守らなければならないルールだけをしっかり規定して、あとの自由は最大限尊重しよう、という考え方です。
同じクラス、職場にいても、「考え方を同じくする人」、「同じようにふるまうべき」と考えるのではなく、「違っているけど、クラスメイトとして、同僚として信頼し合っている」状態を目指そう、ということでしょう。
筆者はもう一歩踏み込んで「気の合わない人でもそれなりに折り合いをつけながら併存していく」ことは、これからは早めに学ぶ必要がある、といいます。
これは、確かにそうだなぁ、と思いました。仕事上で付き合わなければいけない人に対し「この人とはなんか合わないな」という思いを抱いても、コミュニケーションを閉ざしてしまうわけにいきません。
多様性を尊重する教育を受けている若者は、その意味をはき違えてしまうかもしれませんから。
読んでいると、自分にも当てはまるいろいろな光景が思い浮かんできて、「確かに」とうなずいたり、「こうすればよいのかなぁ」と、これからのふるまいを考えたり、とても得るものの多い本となりました。
感想は以上になります!
では、また!