<映画でどうでしょうか?号泣まちがいなし。>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容紹介<amazonより>
「弱音を吐かない人は、いつだってひとりで闘っている」
がん宣告を受けた<彼>と、彼を支える<家族>の物語。
心揺さぶられる感動長編。
三十三歳の遼賀が受けた胃癌宣告。どうして自分が……涙が溢れてきて、恐怖で震えが止まらない。その時、郷里の岡山にいる弟の恭平から荷物が届く。入っていたのは、十五歳の頃、恭平と山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴。それを見た遼賀は思い出す。あの日のおれは、生きるために吹雪の中を進んでいったのだ。逃げ出したいなんて、一度たりとも思わなかった――。
◆この本は
ボリューム:★★★☆☆(普通)
読みやすさ:★★★☆☆(読みやすい)
感動 :★★★★★(何度も泣ける)
家族愛 :★★★★★(これ以上の家族愛はない)
これは、泣きます。30代でガンに、どうして自分が?
戸惑い、怒りながら、それでも優しく誠実に周囲の人達と関わる主人公。とても強い絆で結ばれている家族愛にも涙が止まりません。
◆内容紹介・感想
主人公、笹本遼賀は岡山から上京しイタリアンレストラン「トラモント」に勤務して13年目。
店長として従業員に慕われ、毎日忙しく働く彼に突如、胃にがんが見つかります。
病床で思い出すのは、15歳の時、亡き父と双子の弟恭平と、3人で登った冬の那岐山での出来事。
雪庇を踏み外し、兄弟ふたりで遭難してしまった時、怖がる弟を守り、死ぬことなんて思ってもいなかったあの時の思いが、蘇ります。
その日を境に登山をやめてしまった弟から、送られてきた荷物は、あのときの登山靴でした。
あのとき、家族4人の絆がさらに深まったのですが、実はその前から、この家族には「どの家族よりも仲良くやっていこう」という、ある事情からの強い想いがあったのでした。
子供ががんで入院したと知り、遼賀の母親はあっさり仕事も、自分の母の介護も辞めて、上京してきたところや、弟の恭平の遼賀に対するサポートは普通の家族のそれの何倍も強い絆を感じました。
そして、この物語に感動を添える二人のわき役も素晴らしかったです。
入院した病院で、看護師と患者としてたまたま再会した高校時代の同級生、矢田泉。彼女がいたからこそ、遼賀の壊れそうな気持ちをなんとか保っていられただろうと思います。
そして、遼賀を特別に気にかけれくれるトラモントのアルバイト、高那裕也。彼も父親を亡くしているからこそ、わかる気持ちなんでしょうね。また彼は、遼賀の人柄を彼を通じて読者に伝える重要な役割を担っていました。
そして、誰よりも本人の遼賀の誠実さです。彼の人柄があったからこそ、病床においても人に恵まれ、充実した時間を過ごすことができたのでしょう。
こういう物語に触れると、「もし自分が?」っていうのはどうしても考えてしまいますよね。
人はいずれ死ぬ。そんな当たり前のことからすごく遠いところで、日々あくせく過ごす中で急にガン宣告を受けたら、果たして客観的に自分を見つめ残された時間を過ごすことができるのでしょうか?
頭ではわかっているつもりでも、やっぱり自分がその立場になってみない限り、わからないんでしょうね。
緩和治療や在宅治療が進歩していっているなかで、不運にもガンになっても、幸福な残り時間を過ごすことができれば、それは素敵なことなのではないか、と私は思いました。
愛があふれています。とにかく、泣ける。それだけは保証します。
映画でどうでしょうか、とも思いました。
感想は以上になります!
では、また!