<イノベーションを起こす人は、意外と普通の人>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
仕事に対する
「最上(ベスト)の構え」がここにある!
――監訳者・楠木 建
「独創性」は、与えられるものではない。すでにあなたの中に存在するのだ――
◎なぜ、人は「可能性の高い企画」にダメ出ししがちなのか
◎あるアップル社員が、スティーブ・ジョブズに猛反論して成功を収めた理由
◎「うちの会社に投資すべきではない理由」を説明し、巨額の資金を得た起業家
◎「やさしい上司」より「トゲのある気むずかしい上司」に
◎部下に「解決策」を求めてはいけない …etc<.br>
「本書は、“本性"としてリスクを回避しようとする“ふつうの人々"が
(ふつうの人だからこそ)、流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて、
“オリジナルな何か"を実現させるためのさまざまなヒントを数多く含んでいる」
(「監訳者のことば」より)
◆この本は
ボリューム:★★★★☆(やや厚め)
読みやすさ:★★★☆☆(難しくはない)
気付き学び:★★★★☆(実例からの学びは多い)
興味度 :★★★☆☆(期待ほどではなかった?)
「イノベーションを起こせる人」を、豊富な成功例と失敗例も含めて多面的に分析しています。そこには「独創的なアイデア」と「リスクを取る行動力」だけはなく、ライバルに評価を求めたり、タイミングを待ったりと、「上手く泳ぎ切る」ことの大切さを感じました!
◆内容紹介・感想
「オリジナリティ」を発揮して、成功した人。
「オリジナリティ」がありながらも、失敗した人。
豊富な事例を紹介しながら、イノベーションを起こして、ビジネスに成功するために必要な要素を解析していきます。
そこには、いま、みんなが思っているのとは違った一面も見えてきて、新たな気付きもありました。
その中から、印象に残った部分をいくつか紹介し、感想を書いていきたいと思います。
・「オリジナルな人」だけではなく、「実行できる人」
ここで紹介されている「オリジナルな人」は、私たちが思っている起業家というより、ずっと普通の人のように思えました。
オリジナルなアイデアはもちろんありましたが、それよりも、それを「どう実行するか」をよく考え、慎重に行動する人、そんな印象を受けました。
・どうやってリスクを取っていくか。
起業家は、とにかく多くのアイデアと、多くの失敗を重ね、1つや2つの大成功を収める、というイメージがありますが、ここでは、「リスク・ポートフォリオを保つ」ということが述べられていました。
リスク・ポートフォリオとは簡単に言うと、自分の資源配分の中で、ハイリスクに投資する一方で、ローリスクの配分を保っておく、ということです。
もっと具体的に言うと、会社を辞めて新しい取り組みにトライするとそれが失敗したときに食いぶちを失うので、今の仕事を続けながら(大学に在学しながら)、新しいことを始めてみるというやり方です。
・タイミングは重要
組織内で新たな試み、変革的な提言を行うとき、自分の地位・発言力は重要だと述べられています。それが「タイミング」のひとつです。
実績もない平社員が「この仕組みはおかしい」と提言しても(たとえそれが的を射ていても)、なかなか会社は動きません。
著書の中に、CIAの中で情報の部署横断化を進めた例が紹介されていますが、彼女も自分が実績を重ね地位を高めるまで長い時間を要しましたが、そこから一気に改革を成し遂げることができました。
参入する「タイミング」も重要です。
なんでも一番にやればいいというわけではなく、それを市場に投入するタイミングによっては、のちに天下を取るものであっても、見向きもされず消えてしまうこともあります。
最初に勝たなくてもいい、「最後に勝つ」ことが重要なのです。
以上のように、イノベーターというものは、アイデアをガンガン実践して、当たって砕けていくというイメージがありますが、ここでは割と慎重で、臆病にソロソロと進んでいった成功者を紹介していました。
また、企業が陥りがちな同質化の罠、あるいはアイデア選定の失敗についても興味深い例が紹介されています。
本書を通して自分が抱いた感想は、割と月並みですが「常識を疑う姿勢を失わないこと」。
組織内にいても、組織内で「正しい」とされていることを疑ってみること、また、その「疑っている自分」をも疑ってみることでしょうか。
そして、また、「アイデアを出すことと、実行することは別の能力が要求される」ということも感じました。
この本は、監訳が、私の大好きな楠木健氏ということもあり、とても楽しく読むことができました。
では、また!