<謎解きからの、背筋が寒くなるホラー。>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけいまさや)に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人鬼・榛村大和(はいむらやまと)からのものだった。「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」地域で人気のあるパン屋の元店主にして、自分のよき理解者であった大和に頼まれ、事件の再調査を始めた雅也。その人生に潜む負の連鎖を知るうち、雅也はなぜか大和に魅せられていき……一つ一つの選択が明らかにしていく残酷な真実とは。
『チェインドッグ』を改題・文庫化。
◆この本は
ボリューム:★★★☆☆(普通)
読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)
恐怖 :★★★★★(怖かったーー!)
トリック :★★★★☆(最後!!!)
あー、こわかったーーー。
検索したら出てきた映画の宣伝映像のせいで、ずっと阿部サダヲが薄ら笑いを浮かべているところが頭から離れなかったです!会う人会う人の、話ごとに変わるシリアルキラー榛村の人物像に、自分はほんろうされっぱなしでした!
◆内容紹介・感想
主人公は筧井雅也という、ややこじらせ気味の、友だちが少ない大学生。
そんな雅也のもとに、拘置所にいる連続殺人犯の榛村大和という男から手紙が届きます。
内容は、「9件の殺人で起訴されているが、最後の1件は無実であるから証明するのを手伝ってほしい」という内容のものでした。
そんな大和ですが、そもそも立件されていない罪を含めると24件の殺人の疑いがもたれており、8件の殺人については認めているし、さらに手口が残忍なものなのであるから、9件目がどうあろうと死刑は確実です。
しかし雅也にとって、大和はかつて近所のパン屋の店主でいつも雅也は良くしてもらっていた人物でした。(そのパン屋の一角、燻製小屋で大和は残忍な監禁・殺人が行われていたのですが。)
雅也は何故か(!)大和のその無茶な依頼を引き受けることを決め、雅也は次々に大和の関係者、9件名の被害者、根津かおるの関係者と次々に面会していきます。
そうしているうちに、大和の生まれ育ちった家庭環境がひどいものだったこと、子どもの頃から残酷なところがあったことがわかります。
また別の面として、彼は他人を取り込む、他人に好かれることに関して、人並外れた能力があったという。
そして、9件目の被害者根津かおるの周辺から、怪しいストーカーらしき人物がいたことも分かってきて、それを拘置所での面会をとおして雅也が大和に報告していきます。
そのたびに、大和は雅也を優しい笑顔で迎え、「すごいじゃないか!」と褒めたりするものだから、しだいに雅也はこの事件について追及することを、大学生活そっちのけで取り組むようになっていきます。
なぜ大和は親族ではない、ただのパン屋の常連客だった雅也にこんな大事な依頼をしていたのか?そういう謎もありますが、後半の展開で上手くそれがわかってきて、そしてさらに、最後のネタばらしがなかなか衝撃的でした!
とまぁ、ネタバレ少なめで本を説明するとこんな感じなのですが、少々人間関係がややこしいので、すんなり入っては来ませんでしたが、最後のほうにまとまってきたという印象です。
そして、もっとも印象に残ったのが、榛村大和が残酷すぎること!監禁・拷問を淡々とやっているシーンなどはたいへん気持ち悪くなります。
そして、この殺人鬼は、「言葉巧みに」連れ込んで殺す、その人に取り込む天才であったという特徴がこれでもかと表現されています。
さすがにそりゃないだろ、と突っ込んでしまいます。
今年公開された映画では、このスーパー殺人鬼榛村大和役が阿部サダヲです。
このホームページを見てからというもの、ずっと頭の中の榛村大和は阿部サダヲの薄ら笑いです!ホラー系が苦手な方は、ちょっと辛いかも。
ラストの背筋が寒くなるところも、エンタメとしてはなかなかのものでした。
といったあたりで、感想を終わりたいと思います。ありがとうございました。
では、また!