<キーワードは「自由な時代」>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
フェイスブックはなぜ「メタ(Meta)」に社名変更したのか? 話題の「メタバース」の基礎から未来の可能性までを語る。
◆この本は
ボリューム:★★☆☆☆(新書サイズ)
読みやすさ:★★★★☆(知識が無くてもわかる)
気付き学び:★★★★★(大まかな知識がこれ1冊で)
考える :★★★★★(哲学的考察も楽しい)
とても読みやすくためになる良書です。メタバースが目指す「新しい居場所」とは。
VUCAが進む時代においてサンクチュアリとして発展していくだろうし、SNSの代替的に一定時間、別人格としてメタバースで過ごす時代が来てもいいと思いました!
◆内容紹介・感想
<メタバースとは何か>
この本は、タイトルの通り、近年急速に注目を集めている「メタバース」についての詳細な解説や発展の歴史が非常にわかりやすく説明されていますが、そのパートは全体の3割ぐらいなんです。
そして残りの大半は何なのかというと、メタバースがもたらす社会的な意味や、人類にとっての本質的な効果といった哲学的な考察にあてられています。この部分が私にとっては実に「面白い!」と感じた部分でした。
そして最後に、GAFAと呼ばれる巨大IT企業がこのメタバースをいかに「商機」とみなしているか、各社の動きについて触れられていてこちらも興味深い内容でした。
前半のメタバースの解説については、詳細には記しませんが、
AR(拡張現実)などの、現実をベースに作られている世界に対して、メタバースは「現実とは異なる全く新しい世界」に入っていく点で異なっているということです。
そして、それはオンラインゲームとして流行していて、古くは「セカンドライフ」、「ファイナルファンタジー7」、最近では「あつまれどうぶつの森」や「マインクラフト」などがメタバース要素を含んでいます。
確かに、これらのゲームに共通しているのが、「自由度が高い」ということだと思います。
モンスターと戦ってボスキャラ討伐を目指すのもいいし、逆に一切戦わずに美しい家の建築に凝ってもいい。
何もせずにただ部屋の中で仲間と交流するだけでもいいし、ゲームしている様子をYouTubeで実況したり、そういった多様な楽しみ方を受け入れるゲームであるといえます。
<メタバースが流行する社会背景>
筆者は「『大きな物語』から『ポストモダン』への変換」という表現を用いていますが、簡単に言うと国家や宗教という集団が示す指針(大きな物語)に従って生きていけばよかった時代から、何をしても自由だが一方で何をしても自己責任という、グローバル自由競争の時代に突入した社会背景に注目しています。
個人主義時代の社会的考察は多くの論に触れられてなじんでいますが、「自分らしく」「人生を楽しまなくてはならない」「何者かにならないといけない」という観念が若者を中心に強く、それがプレッシャーというかストレスにもなっているという話はよく聞きます。
そういう背景が、メタバースにつながっていく、という流れになるということですが、長くなりそうなので、続きは日を改めて書くことにします。
では、また!