<相手を同一化しようとしない「対話」>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
現時点で世界一わかりやすい「オープンダイアローグ入門書」です(断言! )
6編の物語と4章の解説で、オープンダイアローグのエッセンスを2時間でつかめるよう構成しました。
どうしたら対話を続けることができるのか、なぜ計画を立ててはいけないのか、調和を目指さないとはどういうことか。
これらが納得できたら、まずはやってみてください。
見よう見まねでも構いません。
「対話さえ続けば、あとはなんとかなる! 」――これが本書の最大のメッセージです。
◆この本は
ボリューム:★★☆☆☆(まんがなので)
読みやすさ:★★★★☆(まんがなので)
気付き学び:★★★★★(新しい世界を知りました)
考える :★★★★☆(他者の他者性ということ)
気付きが多かったです。「対話の継続」だけをめざすことで、質問が増え、説得やアドバイスが減る。他者の他者性を尊重することで、答えはすべて「対話の中に」求められるので、あらゆるプランや型はむしろ対話の妨げですね。
◆内容紹介・感想
「オープンダイアローグ」については、先日こちらの本を読み、興味を持ったところでした。その時の記事はこちらです。
精神科医である斎藤氏が「オープンダイアローグ」を実践することで、患者さん、やその周囲の人たちに起こった実際の変化をまんがで紹介し、解説を加えるという形式になっています。
「感じるオープンダイアローグ」では、オープンダイアローグの「型」が紹介され、押さえておくべきポイントが示されています。
「やってみたくなるオープンダイアローグ」についても、オープンダイアローグのやり方はほぼ同じで、より事例が豊富に紹介されています。
そして水谷緑さんの漫画がまた良い味を出しています。後半には斎藤氏についてのことと、水谷さんのケロプダス病院見学手記も漫画になっていて、とても興味深く読むことができました。
この本には、オープンダイアローグがオープンダイアローグたりえる特徴を5つにまとめられているので、それを紹介したいと思います。
①対話を続けるだけでいい
「治療を目的とした対話」ではなく、あくまで「対話を続けること」を目的にするという部分が特徴的です。
②計画は立てない
こちらも「治療は対話の副産物」と捉えていて、100人いれば100通りのやり方があるという、「型にはめない」ことが大切だということだと思います。そうすることで、病気と向き合うというより、「ただこの人と向き合う」姿勢になるのでしょう。
③個人ではなくチームで行う
医師vs患者という構図を崩すことで自由な対話を促進するとともに、医師やスタッフの精神的負荷にも配慮されています。
④リフレクティング
「感じるオープンダイアローグ」でも紹介しましたが、決定的に特徴的だと思うのがこのリフレクティングです。
⑤ハーモニーではなく、ポリフォニー
難しい言葉ですが、これもオープンダイアローグのテーマとして大切なことだと思いました。共感や同じ気持ちになることを目指すのではなく、あくまで人それぞれ違うことを前提としています。なので対話は、個人の主観と、別の個人の主観の交換であるということを忘れないことが肝心になります。
「他者の他者性」を意識することが、批判やアドバイスという、「やってはいけないこと」を防ぐことになるのだろうと思いました。
本の帯に「対話さえ続けば、あとはなんとかなりますから!」と書かれていますが、まさに本書が伝えたいのはそのことだと思いました。
「とにかく対話を続けること」を目指すことで、それ以外の「この人の考えは間違っているから、こうしなくちゃ、、」とか、「多分こんな病気だからこういう治療は、、」といった「判断」を排除でき、ただ「本人と向き合う」ことができるのだと思います。
そしてそれが、本人が話し出すきっかけになるのだろうと感じました。
以上で、感想を終えたいと思います。
では、また!