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旧:ちくわのぴょんぴょん読書日記

「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」デヴィッド・グレーバー②

<グローバル資本主義の行き着いた先には>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

今日は、この本の続きを書いていきたいと思います。

 

◆感想つづき

「ブルシット・ジョブ」について、筆者は具体的な3つの問いに挑んでいきます。

・個人的問い:なぜ人々はブルシット・ジョブに同意し、耐えているのか?
・社会的問い:ブルシット・ジョブを増殖させている大きな力とはどのようなものか?
・文化的問い:なぜ経済のブルシット化が社会問題とみなされないのか?

 

まずは、どうしてブルシット・ジョブは存在し、さらに近年増加傾向にあるのか、という問いについてです。

 

自分は経済学の専門家もなんでもないので、素人なりの意見に過ぎないですが、書いていきます。

 

筆者は、「情報関連産業の発展」と「行き過ぎた金融資本の増大」、という表現をしていますが、要するに「グローバル資本主義が独り歩きして、もう誰にも止められない状態」ということだと思います。

 

資本主義という仕組みは毎年成長を続け、資本家に配当をもたらし続けることにより成り立っています。しかし現在、必要なものは、すっかりいきわたり、経済成長は滞って久しい。

そんな中でも、企業は成長し続けなければならない。なぜならそれが資本主義の宿命だからです。

そこで企業の取る生き残り戦略が、グローバル競争と、新たな価値の創造ということになります。

世界中の企業との究極の競争の中で、どうにかして成長を続け、企業として生き残らなければならない。

現在の自分たちの大部分が行っている仕事の置かれている環境がここになると思います。

そこでまず起こってくることが、合併により会社が大きくなっていくことです。会社が大きくなると、人が増えて管理部門の仕事が増えます。意思決定者と現場の距離が広がり書類が増えます。

 

そして、もうひとつ、成長を続けるために、チャレンジを続けなければなりません。新しい商品やサービスを市場に投入し続けることです。

炭酸ちょっと強めとか、甘さが微妙に違うとか、細かいニーズを満たすもの、あるいはほとんど誰も使わない細かい機能を搭載した家電製品。

作中でも紹介されていますが、「テレマーケティング」。何もしなければだれも買ってくれないような不要なものを、わざわざ買ってもらうために電話で「押し売り」しているという表現をとっています。

まっとう(に近い)な商品から、詐欺まがいの健康食品とか金融商品とか、世の中にはあらゆるジャンルの「不要なモノの押し売り」が蔓延しています。

 

こうやって考えていくと、ブルシット・ジョブには、その業界自体、会社自体が「ブルシットな業界」であるということと、その会社の中での部署や自分の担当業務が「ブルシット・ジョブ」であることの2側面が考えられそうです。

 

昨今話題になっている、かんぽ生命やJA共済の行き過ぎたノルマとか、不正販売とかをブルシット・ジョブ視点で考えると、「究極の競争の中での保険販売という視点」と、「肥大化した組織の中での意思決定の問題」が考えられます。

 

と、書いていくうちに、時間がきてしまいました。

今日はここまでにして、日を改めたいと思います。(長期戦)

 

では、また!