ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「ぼくの狂ったフェミ彼女」 ミン・ジヒョン ① (ネタバレあり)

<これが普通ならなかなかにきつい>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

今日は、この本。

 

 

内容<amazonより>

韓国でドラマ化・映画化決定!
初恋の人がフェミニストになった!?
「愛」も「権利」もゆずれない、2人の戦争のような恋愛が始まる。

主人公「僕」の視点で描かれる、フェミニストの彼女の姿。
そこには、今を生きる私たちの「現実」が詰まっている――。

本国では「『猟奇的な彼女』のフェミニストバージョン」といわれ、台湾版刊行時には「キム・ジヨンが結婚前にこの小説を読んでいたら人生が変わっていたかも」とキャッチコピーがつけられた、今をいきる、あなたのための物語。

<あらすじ>
就活を前に不安な僕を癒してくれた、愛らしい僕の彼女。毎日のようにベッタリで、付き合って1周年を迎えた。そんなとき僕は、1年間の海外インターンシップに行くことに。遠距離は不安だけど、彼女なら安心だ、待っていてくれるはず――。しかし、出国当日。空港にいたのは、涙ぐむ彼女を抱きしめる僕ではなく、別れのメールをもらってメンタルが崩壊した僕だった。
そんな初恋を引きずりながら 大企業に就職し3年目を迎えた「僕」ことスンジュン。周囲はほとんど結婚して、「まだ独身なの?」とからかわれることも多い。結婚する女性を選ぶだけなのに、なかなか結婚への意欲がわかない。そんなある日、初恋の彼女と出くわした! 心がまた動き出す……ところが、彼女はこともあろうにフェミニストになっていた!

◆この本は

ボリューム:★★★☆☆(普通)

読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)

ストーリー:★★★☆☆(設定や展開に色々無理はあるが)

考える  :★★★★☆(引っ掛かりが多いからこそ考える)

 

「僕」は家父長文化や男尊女卑という古い価値観(正しさ)を譲らない。一方彼女は、なぜ好きにさせてくれないのかと。全くかみ合わない二人がなんで付き合っているのという疑問はありますが、読者が彼らの会話から違和感を拾い上げていける、うまいやり方だと思いました。

 

◆内容紹介・感想

主人公は「僕」。彼がインターンシップから帰って来て、別れた元・彼女と再会するのですが、その「彼女」は、付き合っていた頃とはすっかり変わってしまい、黒い服を着て、フェミニストとして活動をしていました。

 

しかし、「僕」は彼女との日々が忘れられず、再び付き合ってほしいとお願いし付き合うことに。

しかし、すっかりフェミニストになってしまった彼女に対し、「僕」は「いずれ、フェミニストをやめさせて、彼女と結婚できるだろう」という思いで接し続けるんです。

 

まず、ここに描かれている「僕」をはじめ、両親、親戚、友人すべてが家父長制や男尊女卑に偏った言動をしていて、これが韓国にとって当たり前だとしたら、韓国は女性の社会的権利が日本と比べて相当遅れていると感じました。

 

日本でもあるように、都市部と地方では異なっているかもしれないですが、だとしても友人の結婚式のシーンで、「彼女」以外のすべての男女が、「幸せな結婚を目指さないのはおかしい」、という発言をしているところは、なかなか今では考えられないです。

 

外食や総菜は身体によくないから作るのが当たり前だとか、彼女のことを守ると言って束縛するところとか、自分的には相当古いなぁと思うんですが、これが韓国の「普通」なんでしょうか。

 

とにかく、徹底的にかみ合わないなぁと思いながら読んでいくのは、モヤモヤというよりむしろイライラ感をともなうのですが、そこを我慢して読んでいくと、彼女の訴えが過激でもなんでもなく、ただ感じたことをそのまま言っていて、それに対する味方がひとりもいないということにあるんだと気付きます。

 

もう少し、続けようと思いますので、今日は一旦これで終わります。続きは日を改めて。

 

では、また!