<平常が不均衡であることに気付く>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本の続きを書いていきたいと思います。
◆感想つづき
この物語の中には、彼女の言動を通して、「平常が不均衡である」と気付かされることが多いです。
例えば、「僕」の友達の結婚式で、「彼女」のことを「僕の彼女です」と紹介した後、彼女が「私の彼氏です」と被せるところ。
これに対し、「僕」は「これは冗談か?」と驚くんですね。つまり、女性のほうから彼氏ですと紹介するのはおかしい、ということです。
こういう「僕」が抱く感想は最近の若者にはもう無いんじゃないかと思うんですが、あえてこう書かれることで、日常に潜む不均衡をあぶり出していくのがうまいと思いました。
また、彼女は日常生活において、とてもだらしない面を見せますが、それに対し「僕」が不満をこぼすところも、そうです。
男性がだらしないのは自然で、女性がだらしないのはおかしい、ということはなくて、男だろうが女だろうがきっちりしている人とだらしない人がいるのはおかしくないはずです。
ありきたりな感想ですが、こういった些細な出来事でいちいち「僕」が苛立つのは、男性が知らず知らずに持っている「既得権」を奪われていくことに対する恐怖があるからではないかと思いました。
この物語の中では誇張したところも多くあるかもしれませんが、日本においても日常的に近い部分もあると思います。
これを読んで違和感、モヤモヤ、イライラを感じることで、自分の日常に置き換えて自分の言動を振り返ってみて、胸が痛みながら、そうやって前に進んでいけたらいいなと思いました。
違和感を持って注意したくなった時、一歩立ち止まって、それぞれが求める幸せの姿を認め合うことを思い出し、「あくまで自分の価値観」を他者に押し付けない、と気を付けるだけでもだいぶ違うかなとも思いました。
でもやっぱり、この2人が「なんで付き合ったんだ」という疑問は最後まで消えませんでした(笑)
以上で、感想を終えたいと思います!
では、また!