<夢と現実が攪拌機にかけられたように>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容紹介<amazonより>
◆この本は
ボリューム:★★★★★(分厚い)
読みやすさ:★☆☆☆☆(何を読んでいるか時々わからなくなる)
難しさ :★★★★☆(世界があやふやになる)
楽しさ :★★★☆☆(一応、謎解き)
「日本三大奇書」のひとつ、「読んだ者は精神に異常をきたす」という枕詞は有名で読書好きなら一度は読んでおかなければ、と思い、遂に重い腰を上げるのでした。
そこには、想像を絶する苦行が待っていました。
◆内容紹介・感想
一応、内容としてはミステリーです。
過去に起こった未解決の殺人事件が背景にあって、主人公の記憶喪失青年と、後見人である法医学者の若林博士とが語り合いながら、徐々に読者と共に真実を探していく、、といった展開になっています。
この本がどうして、「読んだ者は精神に異常をきたす」と噂されているか、というのは理由が二つあるように思います。
ひとつは、この本が精神に異常をきたす人物を題材にしたストーリーだからです。主人公の青年は精神病院に隔離されており、その病院では精神の病の学術研究がされているんです。
そして、もうひとつの理由が、この本の構成と文体にあります。回想シーンに長いこと飛ばされたり、作中作である論文がやたら長かったりして、今、自分が読みながら浮かべているシーンが、どこにいるのかよくわからなくなってくるんですね。
最も印象的なのが、前半部分の「チャカポコ・チャカポコ・アーアァ、、」という節回しをつけながら、現代(当時)の精神医学に関する批判を繰り広げる、「祭文」と呼ばれる約40ページにわたる長唄です。
お経のような、何とも言えないリズムで、苦行のようで、読むものを眠気に誘う、。
こういうところが、この本の脱落者を続出されるトラップになっているのだろうと思います。
それでもガマンして下巻まで読みすすめると、ようやくことの真相がおぼろげながら見えてきます。犯人も一応わかります。
しかし、最後のほうで、また夢と現実が撹拌機にかけられてしまい、読者を煙に巻いてしまうかのように、、。
率直な感想として、内容は面白かったが文章が辛かった、、。
感想は以上になります!
では、また!