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旧:ちくわのぴょんぴょん読書日記

「メモの魔力」 前田裕二

<メモはアイディアを生み出すためのもの>

 

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

今日は、超有名なこの本です。

 

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

 

 <内容紹介 amazonより>

僕にとってメモとは、生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いていない「本当のメモの世界」へ、ようこそ。

 

◆メモとは、「知的生産」である

メモといえば、「記録」です。

忘れないように、紙に書いておく行為ですよね。

 

しかし、筆者のメモは全然違います。

メモとは、「知的生産」のために書くものだ、といいます。

 

では、「知的生産」とはどういうことでしょうか?

彼のメモ術の真髄を簡単に下に記します。

 

◆「ファクト」→「抽象化」→「転用」

彼のメモは3段階に分かれます。

①「ファクト」:事実のメモ書き。いわゆるメモ。

②「抽象化」:そのファクトに基づき、「法則性」を導く。

③「転用」:「抽象化」した言葉を使って、自分ができることを考え出す。

 

ちょっとわかりにくいかもしれないので、具体例を作ってみますね。

 

自分が回転ずしチェーンで働いているとします。

新しいメニューは何がいいか、いつも考えています。

 

順に追って当てはめていきますね。

(あくまで思い付きなので、正しいかどうかは読者の方の判断に任せます)

 

タピオカがメッチャ流行っている。ブームに乗っかりたい。でもブームって、すぐ終わるしなあ。そういえば、その前に何が流行ったのだろう。

グラノーラ、パンケーキ、、。 

 

その共通点って、何だろう?

若い女子に受ける、素材が自然な感じ、食事代わり、おなかに溜まる、インスタ映え、屋台、、。

 

じゃあ、どういうスイーツが受けるのだろう。

天然素材で、意外とボリュームがあって、

焼き芋かな?

でもただの焼き芋じゃインスタ映えしないよね。

じゃ、超ロング焼きイモスティック?

 

とまあ、こんな感じでしょうか?

 

①で終わらずに、②③を時間のある時に書いていくんですね。

 

◆「抽象化」という作業

「抽象化」というのは、「鮭」→「魚」→「生き物」というふうに抽象度のより高い言葉に置き換えていく作業のことです。

 

「ボリュームがあるけれど自然素材」 というような抽象的な言葉に置き換えていく作業というのは、すなわち「なぜそれが流行っているのか」に切り込んでいく作業と言えます。

 

まとめると、 

 

「ある現象を、抽象化した言葉に置き換えて現象の本質を推理してみる。」

「それをもう一度別のフィールドで、具体的なアイデアとして下ろしていく。」

これが、彼の「メモの魔力」の神髄なのではないかと思います。

  

「抽象化」という作業は、一度作ってみると、いろんなものに応用できます。

 

例えば、「ボリュームがあるのに天然素材で、おなか一杯食べても罪悪感が薄い」という「抽象化」を導き出したとすると、

※これって、「ゼロカロリー理論(サンドウィッチマン)」みたい、、

 

スイーツだけでなく、他の料理のメニューのヒントにもなるかもしれません。

じゃがいも100%ラーメンとか、 、。

 

ジェームズ・W・ヤングの「アイデアの作り方」に、

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない 」という有名なフレーズがありますが、その「組み合わせ」には、「抽象化」が欠かせないのではないでしょうか。

 

ではここで、先ほどの例で②の「抽象化」のステップを省くとどうなるでしょうか。

タピオカが流行っているし、「タピオカ軍艦巻き」を作ってみよう!(気持ち悪い!)

となります。たぶん上手くいかないですよねー。

 

◆情報のアンテナ

最後に。

彼はすさまじい情熱を持って「メモ」を書いています。

普通の人なら見逃してしまう、ちょっとした街の風景も、メモしまっくていきます。

そしてそれが、彼の事業である「SHOWROOM」の企画のネタになっていったりするのでしょう。

  

 「情報のアンテナを広く張って」というような言葉は昔からよく言われていますが、彼は常人では考えられないぐらいのバイタリティを持って日々「考えて」いるのだと思います。

 

興味に任せて書いた大量のメモの中で、自分の「今、やりたい事」をあぶり出すことになると彼はいいます。

まさに、「メモは生き方そのもの」という理由なのでしょうね。

 

この本にも、とても刺激を受けました。ありがとうございました。

 

では、また!