みんなの日常哲学カフェ ~哲学カフェとか読書とか

哲学カフェの記録を中心に、読書記事も書いています

旧:ちくわのぴょんぴょん読書日記

オンライン哲学カフェ第98回「自己責任」①

<自己責任論は原因の追及なのか、結果の引き受け方なのか>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

私が参加していたある読書会の知り合い同士で始めた「哲学カフェ」。

2020年より主にオンラインの場に移し、「オンライン哲学カフェ」として楽しんでおります。(※今のところ、クローズドでの開催です)

今回は、第98回開催になります。

 

前回の第97回開催の記事はこちらになります。

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

◆「哲学カフェ」とは?

哲学カフェとは、おもに身近なことがらについてテーマを1つ決め、それについてみんなで自由に意見を出し合う対話の場です。

「哲学」と書いていますが、ソクラテスやプラトン哲学がどうのといった話はほとんどしません。

私たちの哲学カフェで扱っているテーマは、「『普通』ってどういうこと?」だとか、「『自己責任』って結局何なの?」だとか、身近にありながら、答えがなかったり、人それぞれだったり、ふだんあえて時間をかけて考えたりあまりしない話題について、じっくり語り合っています。

そうすることによって、「あたりまえ」だったことに新しい側面を発見し、考え方・生き方に変化が起こることを楽しんでいければいいな、と考えています。

当哲学カフェはいわば「日常生活を哲学する」ことを目指しています。

 

◆「Zoom」を使っています

今回も、「Zoom」を使用。

「Zoom」はすっかりおなじみですがとても使いやすいオンライン会議アプリです。

主催が会議を「○○日の●時~●時」とスケジュール設定すると、「会議ID」が発行され、参加者はPCのZoomホームページやスマホアプリから、その「会議ID」を入力するだけで、アカウントを作る必要も無く、簡単に参加できます。

 

◆この日のテーマ

この日の参加者は9名(「聞き専」含む)。時間は2時間です。

オンラインにおいても、実際の哲学カフェのように、進行役を決め、1人ずつしゃべる方式にしています。

しかしながら一部の人しか画像を映していないため、挙手が見えないので、発言したい人は「ハイ○○です。」と言い、進行役が指名するという感じにしています。

今回は、いつものとおり、進行役がひじき氏、私ちくわは書記役を担当しました。

 

この日のテーマも、メンバーの推薦により選ばれた

 「自己責任」

です。

 

現在の自分は自己責任の結果でしょうか?

どこまでが自己責任でどこからが「運や偶然」とかあるのでしょうか?

自己責任の「責任」って何でしょうか?

「私物の管理は自己責任で」など日常に氾濫する自己責任について、色んな具体例を交えて考えてみましょう。

では、哲学カフェ、スタートします。

 

◆「自己責任」と「運」

「自己責任と運は、対の言葉にならないのでは?」

という問いから哲学カフェは始まりました。

 

学歴や経済の格差が、生まれた境遇の原因か、人生における行動や選択の結果か、という議論がありますが、これを念頭に置いてい場合、これはどういうことでしょう。

 

その答えの前に、「自己責任」の反対語はなんだろう?という問いが併せて提示されました。

先にそのメンバーは自分の考えでは「社会保障」だという答えでした。

 

自己責任という言葉は、お金の援助や、他人の助けを受けないで、自分の力で過ごすような使い方が多いです。

だから、その場合、対義語は社会保障であるという考え方は納得できます。

 

でも、「運」だと思ったのはどうしてでしょう。

考えを進めていくと、「原因」と「結果の引き受け方」の違いかなと思いました。

 

◆自己責任の具体例

冬山で遭難しレスキューの甲斐無く助からなかった場合、自己責任だと言われる、という例が出てきました。

あと、カバンを置き引きにあった、とかの例も。

 

この例はどこが自己責任かといえば、事前に対処が甘かったから災難に遭った、ということになり、「自己責任」という言葉を原因に使っているように感じます。

 

これに対し、社会保障だという考え方に関しては、原因はどうあれ、現在困っている人に対して救いの手を差し伸べるという「結果の引き受け方」という使い方のようです。

 

こうなると、「責任」とは何か、という問いが立つのですが、少し別の話題に移っていきました。

 

◆自己責任論は、他人に対して言う

「自己責任という言葉は、自分ではなく他人に向けて使う」

という意見がありました。

うすうす感じていましたが、ズバリ核心を突いた意見です。

「荷物の管理は自己責任でお願いします」

「それって、自己責任でしょ」

というふうに。

 

荷物の管理はわかりやすいです。

管理者側にクレームを入れられても責任持ちませんという、宣言です。

カスタマーハラスメント対策という意見も出てきました。

 

また、「努力をもって成功をつかんだ人が、他人に対して一般法則のように押し付ける価値観」

という意見もありました。

この辺は最初の「生まれ育った環境」と「個人の努力」の問題とつながるところがあります。

 

ここから、自己責任を現代社会の問題と絡めての意見が続いたように思います。

 

哲学カフェはまだまだ続きますが、長くなってきましたので、続きは日を改めて書いていきたいと思います。

 

では、また!