<「みんな」と「自分」>
私ちくわは関西を中心に活動している読書会、「彩ふ読書会」に、2018年5月からサポーターとして活動しています。
2018年12月に京都開催が始まり、私は京都サポーターとしてお手伝いさせていただいてます。
彩ふ読書会の目的は「本が好きな方の居場所作り」です。
「家庭でもない、職場でもない、第三の場所」をコンセプトに、色んな価値観を持った方々が集まり、意見を交換し合うこと、また空間を共有しあうことで新しく生まれる何かを楽しもう、という集まりです。
ジャンルは問いません、いい意味で、「何でもアリ」なので、男女問わず、また若い方から年配の方まで、気軽にアットホームな雰囲気で、リピーターさんも多数いらっしゃいます。
◆課題本読書会とは?
「彩ふ読書会」では、午後の部は基本「課題本読書会」です。
あらかじめ決められた課題本を読んできて、感想を皆で語り合います。
参加人数によってテーブルを分けますが、1テーブル6~8名で、進行役を中心に、印象に残ったところ、それを受けて自分はどう思った、関連して自分はこんな経験をした、など、自由に語ります。
◆課題本読書会の楽しみ方
私は主に2つあると思います。
①「深い読書」を楽しむ
大きなストーリーを楽しむだけでなく、作者は言葉のひとつひとつにメッセージを込めています。「自分が気になった言葉」を人数分集めて検討していると、ひとりではおそらくできない「深い読書」を楽しむことができます。
②「他人の考え方」に触れる
一方で読書は「読者によって意味付けされる」という側面も持っています。
読者の年齢、性別、学校、仕事、その時の気持ち、によって、違ったメッセージを受け取るものです。
自分では「これがキーメッセージだ」と思っていても、読書会で語り合うと、驚くほど違う意見が出てきます。
様々な考えを、じっくり「聴く」ことで、自分の考え方はひとつの価値観に過ぎないことを学ぶとともに、語り合うことでさらに思考が洗練されていく(気がします)。
◆では、本題に
今回の課題本は重松清の「青い鳥」。
中学校を舞台に、さまざまな理由から学校になじめない生徒と、それに寄り添う「村内先生」が織りなす、8つのストーリーからなる、感動の連作短編小説です。
では、課題本読書会のスタートです。
◆今日は私が進行役です。
今回の参加者は12名。男性7名、女性5名。
2つのテーブルに分かれます。
ひとつのテーブルの進行役となります。
これで何回目になるでしょうか。私が進行役になるときは、いつもこの子にお手伝いしてもらっています。「もち子」です。
「もち子」とは、「哲学カフェ(哲学対話)」で使われる「コミュニティボール」を、愛らしいぬいぐるみで代用したものです。
「もち子」の使い方とルールです。
・発言者が「もち子」を持つ。
・ほかの人はその人の発言が終わるまでしっかり聞く。
・次に発言したい人は挙手し、「もち子」を受け取る。
話者の話を最後までじっくり「聴く」ことを主目的としています。
こういった対話の場では、しゃべるのが得意な人もいれば、苦手な人もいます。
どんな人でも、自由に話せるための「安心の場」づくりにもち子に助けてもらっています。
◆いい加減に本題に。
入ります。
まずは「皆さんに印象に残ったストーリー・フレーズを出していってもらいましょう」ということになり、もち子を順番に回し、語ってもらいます。
・改めて「学校」って何だったんだ、と思った。教育の理想像って、何なんだろうと考えるきっかけ。
・泣けた。寄り添ってくれる存在である村内先生を、皆必要としていると思う。
・村内先生は寄り添ってくれるだけでなく、その一見頼りないところに、更に近さを感じて、二重に救われたのでは。
・中学校の描写がリアル。「みんな仲良く」、同じ方向を向いて、ということに、昔は気付かず素直に従っていたが、今になってよく考えると、違和感を禁じ得ない。
・中学生やいじめの実態について、とてもリアルで詳しい。
・子供の頃に、親をはじめとする「認めてくれる存在」がいて、自己肯定感が育まれる。そんな存在がいなかった生徒にとって、村内先生は唯一の理解者だったろう。
・「たいせつなこと」と「正しいこと」の違いって?
◆キーポイントの検討に入ります。
「そばにいること」「みんなと自分」「たいせつなことと正しいこと」
いくつかのキーメッセージが出てきます。
いよいよ、明日以降は続きの検討に入っていきます。
では、また!