ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

彩ふ読書会 ~大阪堂島 1月 ⑤哲学カフェイロソフィア「あぁ、忙しい!」後編

<自由だからこそ、不安になる>

 

私ちくわは関西を中心に活動している読書会、「彩ふ読書会」に、

18年5月からサポーターとして活動しています。

18年12月より始まった京都開催のサポーターリーダーとして、日々お手伝いさせていただいています。

 

彩ふ読書会の目的は「本が好きな方の居場所作り」です。

「家庭でもない、職場でもない、第三の場所」をコンセプトに、色んな価値観を持った方々が集まり、意見を交換し合うこと、また空間を共有しあうことで新しく生まれる何かを楽しもう、という集まりです。

ジャンルは問いません、いい意味でバラけていて、「何でもアリ」なので、男女問わず、また若い方から年配の方まで、気軽にアットホームな雰囲気で、リピーターさんも多数いらっしゃいます。

また、「皆で作っていく読書会」というのも魅力です。私のようなサポーターだけでなく、リピーター参加者の方に進行役や会場セッティングを手伝ってもらいながら、運営しています。

 

iro-doku.com

 

1/5(日)は3か月ぶりに大阪開催にお邪魔させていただきました。

 

午前の部:推し本読書会

午後の部:課題本読書会「優しい死神の飼い方」知念実希人

夕方の部:哲学カフェ イロソフィア「あぁ、忙しい!」

 

今日も、昨日に引き続き、「哲学カフェ」の模様をお伝えします。

昨日の記事はコチラ。

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

◆「あぁ、忙しい!」これまでのまとめ

・文明の発達によって活動範囲が広がり、やれる事が増えた。

・情報機器の発達により、スキマ時間にやれる事が増えた。

・忙しく働いていることが快感である。

・気持ちが充実していれば忙しくてもいい。

・時間は有限なのに、人間の欲は無限である。

・承認欲求を追求すると際限がない。

・新しいことを始めるのは簡単でも、やめるのは難しい。

・「やらなきゃいけないハードル?」に囚われている?

 

発言が新たな問いを呼び、次々と話題が広がった今回の「あぁ、忙しい!」ですが、いよいよ時間も無くなってきて終盤戦となります。

 

◆「やらなきゃいけない」ハードル

「日本人は時間に厳しい」

「SNSでの『充実している』投稿を見て、自分もやらなきゃって思ってしまう」

 

こんな意見の中から、「やらなきゃいけないハードル」って何なの?っていう問いが生まれたような気がします。

 

そこから、「共働きで子育て中のお母さん」の話題になりました。

 

「家事や育児は妻であり母親である女性がきっちりすべき」という古い価値観と、「女性も当然働きに出る」という新しい価値観のどちらも捨てきれず(捨てさせてもらえず)、苦労されている女性は、少なくないです。

 

いっぽう最近では、「夫は一家を養う収入を得ないといけない」という古い価値観と「父親が家事・育児に参画しなきゃいけない」という新しい価値観のはざまで、苦労する男性もあるようです。

 

会社が許してくれない、家族やパートナーが理解してくれない、って言ってしまえばそれまでかもしれないですが、それを敢えて自分事として、問うてみるところで、次のような意見が出てくるのです。

 

「『○○すべき』っていう理想像がいつもあって、それを目指さないといけない、って思ってしまう。」

「平均以上でないと、(自分も他人も)許されない。」

 

あー、わかります。

自分が属している社会・集団が持っている基準があって、それが多少行き過ぎていていたとしても、自分が基準を満たさないと集団から外されてしまう、そんな不安感を常に抱えて生きているような気がします。

 

家族のルール、学校のルール、会社のルール、結婚生活や子育てのルール、などなど色々あって、しかもそれぞれが単一の価値観ではなく、すごいスピードで変化し、多様化しています。

 

そのひとつひとつをじっくり比較検討し絞り込んで「これだけはやる!ほかは知らん!」ってできればいいですが、できる人はあまりいませんよね。

 

◆自由と不安

最後になりますが、こんな面白い意見がありました。

「学校があまり宿題を出さなくなったのを不安がった親が、先生に『もっと宿題だして』って言ったらしい」

 

会社でも、教育の現場でも、自主性を尊重する時代になりました。

強制しない代わりに、自分から動いていかないと、自分だけが取り残される、そんな時代と言えるでしょう。

 

機会が平等になればなるほど、競争は激しくなります。

「自分をアップデートし続けないと、時代に取り残される」っていうのはよく言われますし、実際私もそんな価値観にどっぷり浸かってしまっているかもしれません。

 

自由であるからこそ、何をしていいかわからない人が多くなっているということもあると思います。

 

だから自己啓発書を読む。テレビやネットを見て最新のアクティビティを試してみる。

 

「休日も休むために過ごしていない」という意見もありましたが、

休日も自己啓発に勤しんでしまう、早く帰れと言われて早く帰った平日も。

「自分のやりたいこと」と、「未来のためにやらなきゃいけないこと」の両立で忙しくなってしまう。 

 

フォーディズムの時代とは休日の過ごし方は異なるかもしれませんが、資本主義経済の仕組みに踊らされているっていう意味では同じかもしれないですよね。

 

「メディアが煽る不安」っていう話題でも盛り上がったのですが、つくづく我々は誰かが作り上げた価値観に踊らされているなあ、っていうことを再認識した終盤戦だったと思います。

 

◆今回の哲学カフェは終わりです。

休憩をはさみ2時間余りでしたが、今回もあっという間でした。

中心的な話題と私の感想になりますが、もっとたくさんの枝葉の面白いトピックもありましたよ。

 

帰りの電車の中で、また次の日に。忙しい!と思ったら思い出す、また考えてしまう。これを私は「哲学カフェのお土産」と呼んでいます。

「忙しい!」にどう立ち向かっていくか、私の今後が楽しみです♪

 

次回の哲学カフェはまだ確定募集していませんが、2か月に1回程度は大阪・京都・神戸どこかの「彩ふ読書会」会場で開催を計画しています。

 

これで「イロソフィア」は2度目の開催になりますが、いずれも埋まるのが早かったと聞いていますので、HPでチェックいただき、お申し込みはお早めにお願いします。

是非ご参加ください!!

 

iro-doku.com

 

では、また!