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「エポケー」:客観的事実だという判断を「留保する」

<そんなのは思い込みにすぎない!>

 

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

今日は「エポケー」という言葉について考えたいと思います。

 

「エポケー」というのは19世紀の哲学者、フッサールが提唱した考え方で、「判断を留保する」と訳されています。

wikipediaはこちら↓

ja.wikipedia.org

 

私は、この「エポケー」という考え方に対し共感する部分が多く、今後の生活において役立つだろうと思いましたので、紹介させていただきます。

 

◆あらゆる現象は、主観的にすぎない

「夢の中で長澤まさみとデートしました。」

 

夢の中では確かに長澤まさみが目の前にいて、長澤まさみとしゃべって、長澤まさみと確かに手をつないでいました。柔らかい手の感触だって残ってます。

 

朝起きた後に考えたら、それは「夢だった」と私たちは知っています。それは脳の「記憶の整理作業?」であるらしい、と知っています。

 

では、朝起きてから家族と朝ごはんを食べて、会社行って、同僚としゃべって、、そんな一連の作業が、「夢でない」と言い切れますか?

 

それも視覚や聴覚・触覚などのデータとして脳が情報をそのように処理しているだけで、実際の自分はひょっとしたら寝ているだけかもしれないですよね?

 

ひょっとしたら、その「自分」ですら、思っているように体が無いかもしれないですよね??

 

そう、人間が感じていることはどこまでいっても「絶対にあるもの」なんて証明できっこない、っていう考え方が「エポケー」の出発点です。

 

◆「客観的事実」って思っているのはすべて「主観的」

では、究極的な問いのひとつである「自分はいずれ死ぬ」というのは、客観的事実なのでしょうか?

 

もちろん、科学的には人は必ず死ぬようです。今まで死ななかった人はいませんから。

 

でも、「自分が死ぬ」っていうのはどういうことでしょうか?

 

もし自分が死んだとき、自分は「自分が死んだこと」がわかりません。なぜなら考えることができないからです。

 

そう、自分は生きている状態の自分しか知ることができず、死ぬことは絶対知ることができません。

 

だから、「自分は死なない」と言い換えることは出来なくはないですか?

 

当たり前と思っている「自分は死ぬ」っていうことについてすら、客観的事実だから疑えない、ということはできません。

 

フッサールは、以下のように説きます。

そんな証明できないことにこだわっていてもしょうがないじゃん!

あなたが「客観的事実」だと考えているものを、いったん「留保」してみない?

 

◆「判断の留保」と「判断の停止」の違い

では、「判断を留保する」というのは、どういうことでしょうか?

 

「人間は生き物である以上、子孫を残すことを目的に生きている。」

という考え方があります。

そんな考え方は自然科学に基づいていて「客観的事実」であるように思われます。

 

でも、「自分」を起点に考えたら、過去の先祖がどうだったかとか、子孫が未来に栄えるかどうかとか、そんな自分がいない時ことを考えてもまったく意味がないので、子孫を残した方が良いかどうか、そんな判断にこそ意味がないのです。

これも「客観的事実」であるように思われますよね。

 

このような「子孫を残すのが正しいか、そうでないか」という議論は、お互いが自分の主張が「客観的事実」であることを主張していて、それについてお互いが「判断を停止」しただけでは、その齟齬が解消されることがありません。

 

◆「いったん留保する」という考え方

それを「いったん留保する」としたのがフッサールの考え方です。

 

いったん留保すると、「そんなこと証明しようがないから、一旦それは置いといて、この社会で、これから大人も子供もみんなどう生きていくのがいいのか、一緒に考えましょうよ。」という建設的な対話が生まれるのだと思います。

 

「そもそも人間は○○を食べるようにはできていない」といって、特定のものを口にしない、という一部のグループがいたり、そのグループを逆に「おかしい」と批判したり。

 

判断停止は諍いを生みだす原因となることが多いです。

 

私が「そもそも」と発言したときは、その「そもそも」は主観的に過ぎない、といつも思うようにしましょう。

 

自らの判断基準を絶対視しないこと。

それを理解し、生活の場で日々訓練できているでしょうか。

 

折しも多様性を尊重できる時代になってきています。

ぜひ、「判断を留保する=エポケー」という素敵なフレーズを皆さん頭の片隅に置いて、生きていきましょう♪

 

では、また!