<抽象化することの重要性>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
この本は、具体的と抽象的の違いについて学ぶことができ、さらに具体的な演習問題によって思考のトレーニングにもなるという本です。
著者の「具体と抽象」については、コチラの本のほうがイラスト入りで個人的にはいいなと思いましたけど。
◆問題解決は「抽象化」あってこそ
例えば、ある製品で故障が多くなっているとします。
そうすると、その故障が出た時に都度修理するのが具体的解決。
それに対し、その故障の根本的原因を探り、故障が出ないように対策を取るのが抽象的解決となるでしょうか。
この問題は、似たような事例が無かったかな?と類推するなどし、その原因をたどっていくというやり方です。
この原因をたどっていくという過程で、問題が一般化されます。一般化したところで、原因が現場以外にあることにも気づくかもしれません。
問題を一度一般化し(抽象化)、そこで見つけた原因をもとに、具体的解決策に落とす(具体化)というプロセスになります。
ここでは、問題解決を以下の3パターンに分類します。
①具体的問題→具体的解決=表面的問題解決
②抽象的問題→抽象的解決=机上の問題解決
③抽象的問題→抽象的問題→具体的解決=根本的問題解決
どれが良い悪いではなく、普段これらを状況に応じ無意識に使い分けているということですね。
抽象化が「Why」を問うのに対し、具体化は「How」を問うやり方、どちらも問題解決にとって重要だという言い方をしたほうがわかりやすいでしょうか。
◆よくあるコミュニケーションギャップ
問題となるのが、相手が③を求めているのに、①の表面的解決方法ばかりしてしまう、といったコミュニケーションギャップが起こる場合です。
「上の人はいつも抽象的なことしか言わない、現場のことを全然わかっていない」
とか、
「アイツはもっと全体のことを見て動いてほしいのに、自分のことばかり」
とかいうよくある話になってしまいます。
しかしこのよくある話も、具体と抽象の観点で考えてみれば当然のことです。
立場が上がるほど、「方針を決める」といったように、仕事は抽象的になり、個別の事象に構ってはいられないし、逆に現場の中で全体の流れを把握して気にかけているいる人などあまりいないからです。
そういう無駄な感情の波立ちを防ぐために、具体と抽象というものは根本的に違うんだということを理解しておくことは大切かもしれません。
◆他人にレッテルを貼る
面白い例がありましたので、ご紹介します。
「他人にレッテルを貼る」 という現象を具体と抽象の観点から説明しなさいという演習問題がありました。
私達は「あの人は○○だから」という「レッテル貼り」を時々行います。
これは目の前の相手の具体的な行動、言葉を、似たような言動をする他の人と同一視し、「せっかち」や「おひとよし」といったグループ化を行うものです。その「グループ化」するという作業が抽象化になります。
「あの人は、何でも『すぐ決めつける人』だから嫌い」という言葉は自己矛盾しているということにお気づきでしょうか?
そうです。レッテル貼りをする人が嫌いというレッテル貼りを自らがしているのです。
◆演習問題が面白いです
といったように、演習問題を考えていくことで、具体と抽象の考え方を理解し身に付けていくことが出来るようになれば、というのがこの本のねらいであり、自分でもなかなか良い経験となりました。
では、また!