<個性的なキャラに、笑って楽しむ>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
朝・昼・晩で業態がガラリと変わるその店は、通称「三人屋」。
やって来るのは、三女にひと目惚れしたサラリーマン、
出戻りの幼なじみに恋する鶏肉店主、
女泣かせのスーパー店長など、ひと癖ある常連客たち。
三姉妹が作るごはんを口にすれば、胃袋だけじゃなく、心もたっぷり満腹に!?
心とお腹にじんわりしみる、美味しい[人情×ごはん]エンタメ!
「高いビルの屋上から、道行く人をじっと眺めているような小説である。大所高所から見下ろしているという意味ではない。ちっぽけな人間たちが、時に迷ったり立ち止まったりしながらも、それぞれの目的地を目指して懸命に歩いている姿を目にした時の、あの切ないような尊いような心持ちを思い出させてくれるのだ。」
――北大路公子氏「解説」より
◆この本は
ボリューム:★★☆☆☆(ライトな小説)
読みやすさ:★★★★★(親しみやすい)
感動 :★★☆☆☆(ほのぼのした感じ)
笑える :★★★★☆(人間模様が笑えます)
三姉妹が経営する喫茶店を舞台に、商店街の個性豊かなキャラクター達が絡みあう人間ドラマが繰り広げられます!
◆内容紹介・感想
<内容と全体的な雑感>
物語は全5章の連作短編。
紹介にあるように、舞台は東京下町「ラプンツェル商店街」にある喫茶店「ルジュール」、通称「三人屋」。
三姉妹で共同経営していますが、モーニング:三女・ランチ:次女・スナック:長女とそれぞれ朝昼晩と分かれてやっている、というちょっと変わった設定。
三人仲良く力を合わせてやっている、かと思いきや、この3人、微妙に仲が良いというわけではないんです。
特に長女の夜月と次女のまひるはほとんど会話も交わさない。
あれ?読む前に思っていたのとちょっと違うぞ、ってなりました。
まぁ、食べ物を中心に置いた心温まる人間ドラマって、勝手に思っていた私が悪いのですが、、。
第1話の「森野俊生の場合」が登場人物のイントロダクション的な役割を果たし、第2話の「三觜酉一の場合」で三姉妹のドラマに入っていきます。
第3話以降は、三姉妹や商店街のみんなが入り混じって、短編の体をなしていません。
いい悪いは別として、こういう構成なのでしょう、、。
登場人物たちの人間ドラマを笑いながら楽しむ、そんな本になっていました。
<ちょっと痛めのキャラクター>
この本の最大の楽しみは、「ちょっと痛い」登場人物のキャラクターを笑いながら追いかける、ということになるでしょうかね。
若くして両親を失った三姉妹は、それぞれ個性的。
自由奔放な長女がいちばん問題児で急に家出をする癖があり、次女のまひるは旦那の浮気を抱えていたり。(また、この旦那が痛い男!)
そして、1話の森野や2話の三觜をはじめ、物語の中心人物となる3話の大輔もなかなか個性的。脇を固める商店街のおじさんたちもおもしろい。テレビドラマにしたら誰が役にハマるだろうか?など、つい考えてしまいます。
<おいしそうなごはん>
そして、もう一つの特徴がちょくちょく登場する「おいしそうな食べ物」になります。
朝の食パン、昼のさぬきうどん、夜のごはん。それ以外にも各話にいくつか詳細な表現とともに、いかにもおいしそうな食べ物が出てくるんです。
あー、食べたいってなります!おなかすいている時はなかなか厳しいです!
さらさら読めて、クスッと笑える、そんな楽しい小説でした。
続編もありこちらも楽しそうなので、また読んでみようかと思います!
では、また!