<自分がどうしたら幸せになるか、を考えられること>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
「変わらない夫」に苦悩するよりも、うまく距離をとることで、あなた自身の人生を「幸せ」に生きてよいのです。
あなただけが必要以上の努力をし、疲弊する必要はありません。
本書では、6組の夫婦のエピソードと、発達障害当事者である夫の体験談を例に挙げ、妻が夫とうまく距離を保ちながら、自分の幸せをつかむための具体的な方法を、夫への関わり方に加え、妻の性格傾向にも触れながら紹介しています。
いろいろな夫婦関係のあり方を踏まえて、妻が自身の生き方を見つめ直し、「本当の幸せ」をつかむためのヒントが詰まっています。
自らもカサンドラ症候群を体験し、カサンドラ支援団体の代表も務める専門カウンセラーだからこそ伝えられる、苦悩する妻の背中を後押ししてくれる一冊!
◆この本は
ボリューム:★★★☆☆(多くはない)
読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)
気付き学び:★★★★☆(気づきは多いはず)
お役立ち :★★☆☆☆(人による)
発達障害特性とはどういうものか、発達障害特性を抱えるパートナーとの生活の難しさ、それに向き合いどう解決していったか、実際のケースを紹介しながら学んでいくことができます。
◆内容紹介・感想
<カサンドラとは?>
発達障害特性を持つパートナーと生活していくうえで、パートナーとのコミュニケーションがうまく築けずに、うつ・無気力等の精神的・身体的症状を起こしてしまうこと。
ここでは夫が発達障害特性を、妻が定型発達のケースで、カサンドラ症候群は妻に起こっている、ということになります。
発達障害特性には、他人に興味がない・空気を読まない言動といった自閉スペクトラム症や、集中ができない・好きなことに熱中しすぎる、などのADHDと呼ばれる特性があると説明されています。
パートナーにこの症状があるために、家事・育児の負担が自分に集中し、不満を抱いたとしても、解決に向けたコミュニケーションを取るのが難しく、次第に自分が追い詰められていくという構図になっているようです。
この本では、色んな発達特性の多くのケースを紹介し、どういう悩みを抱え、どのように解決していったか、が紹介されていますので、同じような悩みを持つ方がいれば「あるある」が見つかるかもしれません。
<はっきりと決めつけられないもの>
ひとことで発達障害と言っても、実に多くの特性があるんだなぁ、ということをまず学ぶことができます。
無気力・無関心だったり、相手に対しやたら尊大で横柄な言動であったり、身の回りの世話ができなくて日常生活に支障が出たり。
この本を読んで(あるいはタイトルを見て)、あー自分のパートナーは発達障害だから仕方がない、著者と同じように離婚してしまおう、という安易な発想は本書の求めるものではないと思います。
まずは、発達障害特性を理解することによって、そのパートナーに悪意がある(さぼっている、ふざけている等)わけではないということ、そのことによって自分が思い悩んでも仕方がない部分がある、ということに気付くことができるということ。
そして、カサンドラを引き起こすのは、優しさや相手への気配りゆえに、相手のできないことを責めてしまったり、周囲との比較で思い悩んでしまう(どうして、○○してくれないんだろうとか)、そういう感情は自分が引き起こしているものでもある、ということが理解できると思います。
まずは冷静になって、信頼できる第三者の力を借りながら、「自分の幸せのために、自分はどうしたいか、何ができるのか」、を考えられることが大切なんだなと感じました。
<カサンドラは女性に多い?>
この本を読んだきっかけは、発達障害特性が妻の側(この本と逆パターン)の本を読んだことで興味を持ったから。
その本がこちら。
その感想記事もあります。
ここで鈴木大介さんも触れていましたが、カサンドラ症候群は女性に多い、ということです。
女性の側が発達障害特性があり、男性の側が定型発達の場合、夫が妻にきつく当たってしまうことが多いのではないか、ということです。
つまり、発達障害特性が夫の側にあっても、妻の側にあっても、ダメージが大きくなりやすいのは妻のほうである、ということになりますよね。
ストレスを受ける場というのは、家庭内でのことがメインになる以上、その家庭内でも困りごとである家事や育児といったこと、合意形成が必要な相談事を抱えるのはどうしても妻の側であること多く、また家計収入が夫メインになっている場合が多いことも関係しているのでしょう。
尊大な態度をとったり、家庭に無関心になる、というのは男にとってはよくある話というイメージがあるため、妻のほうも「みんなこんなものかも、わがまま言わず我慢すべきなのかな」と考えてしまうこともあるのかと思います。
いずれにしても、家庭における男女の役割も多様化しつつある中で、ひとりで抱え込むということがなくなり、カサンドラのような症状も減ってくればいいな、と思いました。
では、また!