<なかなか辛く、切ない作品でした>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
もっとも切なく、でも、あたたかい。
僕たちは双子で、僕たちは不運で、
だけど僕たちは、手強い
双子の兄弟が織りなす、「闘いと再生」の物語
常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、
そして、彼ら兄弟だけの、
誕生日にだけ起きる不思議な現象、「アレ」のこと――。
ふたりは大切な人々と出会い、
特別な能力を武器に、
邪悪な存在に立ち向かおうとするが……。
文庫版あとがき収録。
本屋大賞ノミネート作品!
解説/瀧井朝世
◆この本は
ボリューム:★★★☆☆(普通)
読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)
ハラ&ドキ:★★★★☆(終盤の展開がすごい)
感動 :★★★★☆(ただ、切ない)
双子の兄弟、優我と風我。特別な日に2人だけに起こる「アレ」。
弱い者たちを強い者が力で押さえつける理不尽な世界に、双子が立ち向かっていく感動のストーリー。
◆内容紹介・感想
物語は主人公の常盤優我(ゆうが)がある男に向かって語りだすところから始まります。
優我には双子の弟、風我(ふうが)がいます。
彼らの家庭環境は最悪で、一緒に住む父親は息子に暴力を振るい、母親見て見ぬふりをした末に逃げ出してしまいます。
父親の気まぐれで理不尽な暴力におびえつつ、何とか慰め合い日々をやり過ごす少年時代。
そんな折、双子のあいだに、不思議な出来事が起こります。
1年のうち誕生日のたった1日だけ、2時間おきに双子が瞬間移動のように入れ替わってしまうんです。
双子は不思議なことに戸惑う一方で、毎年起こるので慣れてきてむしろ待ち遠しく過ごすようになりますが、いざ入れ替わるとなると、2人の場所とタイミングいかんによっては不都合なことも当然あったりします。
父の暴力に耐えつつ、2人助け合い、そして不思議な出来事を楽しみながら日々をなんとかやり過ごしていました。
ある日、同じように、親に虐待されている(疑いがある)少女に出会い、なんとかその少女を助けるべく、不思議な力を持つ2人が知恵と勇気をしぼって悪と闘っていきます。
とまあ、こんな感じで序盤のストーリーは展開していくのですが、
伊坂作品といえば殺し屋と痛快なバトルシーン、に慣れてしまった私。
最初「双子が入れ替わる」っていう斬新な設定に心躍る序盤でしたが、
だんだんと「強い者が弱い者を力で押さえつける」というズッシリと重い裏テーマが靄のように全体に立ち込めてきて、なかなか辛い気持ちにさせられました。
そんな辛い状況でも、双子は互いに助け合い、また手を差し伸べてくれる人物もいて、「伊坂幸太郎史上、もっとも切なく、でも、あたたかい」のコピーに違わぬ素晴らしい物語でした!
感想は以上になります!
では、また!