<ああ、戦国の時代>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
◆この本は
ボリューム:★★★★★(上下巻あるだけあって)
読みやすさ:★★★☆☆(普通)
教養 :★★★★☆(深まりました)
感動 :★★★★☆(最後は悲しいなぁ・・・)
信長の指名で結婚相手を決められ、謀反人となった親を失い、住み処を転々とし、、。武家の子として、戦国時代に生まれるということはこういうことだ、っていうのは簡単ですが、あまりにも悲しいですねぇ。
◆内容紹介・感想
明智光秀の娘として生を受けた、玉子。その玉子の生い立ちから壮絶な最期までの伝記小説です。
印象に残ったところと、その感想を少しばかり書いていきたいと思います。
・明智光秀との日々
智勇兼備の父・光秀と聡明な母・ひろ子とのもとで育った、玉子の賢さが際立ったエピソードがふんだんに語られています。
「麒麟がくる」は見ていませんしこの辺の歴史に詳しくはなかったですが、光秀は民に愛され素晴らしい城主であったように思いました。
前半のクライマックスは、やはり本能寺の変ということになります。
玉子の主人である細川家は時流を読んで光秀を見捨てたため、明智は滅びましたが細川家と玉子は生き残ったのでした。
・細川家に嫁ぐ
本能寺の変と前後しますが、細川忠興のもとに嫁いだのは、織田信長の指名であったとされています。両家の父親が決めるのでもなく、主君の信長が決めるとは、、、と思いましたが。
でも、細川家は忠興の父・藤孝も優しく文化的で、夫忠興も気性は荒かったようですが、玉子のことを愛していたようなので、この時代としては、幸せな結婚だったのではないでしょうかね。
・人質とか、自害とか
この物語で何度か出てくる「人質」という政略です。政略上、敵対しませんよという意思を示すために、約束の代わりに家族を人質に差し出すという行為はかなり頻繁に使われていたようですね。
そこで主君の母や子、妻が差し出されるのですが、これは悲しいですね。動静によってはその人質は処分されなければなりません。
玉子も、留守中に攻め入られたら自害するという、約束というか、習わしを守って死ななければならなかったのは、いかに武将の子として生まれたからには仕方がないといっても、悲しすぎることです。
・忠興について
忠興やその父・藤孝の評価としては、この本では中立的な書き方をしているように感じました。正義なんてのは、どこまでいっても個人の感想でしかないですからね。
身内を非情に犠牲にしつづけながらも、情報戦に長け、戦乱の時代に見事に細川家を守り抜いたとても優秀な戦国武将であったことは間違いありません。
最愛の玉子はじめ愛する身内を守れなかったことと、家を守り抜いたことと、どっちを正義と思うかは、読者の自由ですからね。
女や子供の命を政治の道具として扱いながら、その武将本人の命も主君の道具として使われている、戦国の時代はそんな時代だったとしてしまうのは、いささか寂しいですが。
キリスト教とか、秀吉とか、その他出来事はたくさんありますが、感想はこの辺にしておきます。
読者それぞれの読み方ができる、歴史小説です。
感想は以上になります!
では、また!