<やっぱり人間は自然の一部だなぁ>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
◆この本は
ボリューム:★★★★☆(そこそこ)
読みやすさ:★★★☆☆(難しいことはない)
臨場感 :★★★★☆(すごい)
新しい見聞:★★★★★(タイムスリップした)
大正から昭和にかけての東北、主人公・富治のマタギと鉱山をめぐる物語。冬山のクマやカモシカとの格闘シーン、描写がとにかく荘厳で美しく、身震いがしてきました。そんな男たちの仕事だけでなく、当時の文化風俗、強い女性の姿とかも読めて面白かったです!
◆内容紹介・感想
舞台は明治37年、主人公の富治14歳がマタギとして初めて山で獲物を追うところから、物語は始まります。
マタギの世界には様々な掟や言い伝えがありますね。
水垢離(みずごり)や女断ちなど、身を清める行動にも代表されますね。冬場の水、寒そう!
山の神を敬うことで、人間は地上の支配者などではなく、大いなる自然の中の一部に過ぎないことを感じさせられますね。
そして、クマやカモシカを追い込む描写の臨場感が凄いです!
当時のライフルは精度も低かったでしょうから、とにかく敵を引き付けないと、当たらない。
だから、追い込む班と、隠れて待つ班、当時のマタギはチームプレイだということがよくわかります。
それを、雪深い東北の山あいでやるんだから、すごいですね。そんな山にいて、死なないだけでもすごいことなのに。
マタギとして成長しつつあった時、主人公の富治はある事件から突然、マタギ仕事から追われ、炭鉱に入ることになりました。
同じ山でも未知の世界は、折からの世界大戦の影響から、盛況を極めて大忙しでした。
炭鉱の仕事は、こちらも徒弟制度が残っていて、チームプレイであることは同じなのですが、しかしマタギの世界と正反対の、資本や機械が支配する人工的な世界。
そして、毎日地中深く、暗闇に潜っていく仕事。
そんな閉鎖された世界で起こるいじめや事故、あるいは同性愛。
そこでまた、富治の人生を揺るがす大事件(大事故)が起こってしまうんです。
大正~昭和にかけて、時代を駆け抜けていく主人公の富治とともに、私もタイムスリップして、あまり知らなかったマタギや炭鉱の世界だけでなく、当時の文化・風俗をリアルに体験できました!
歴史小説というのとは少し違うかもしれませんが、これは読書でしか得られない体験ですね!
感想は以上になります!
では、また!