ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「#真相をお話しします」 結城真一郎 (ネタバレ少なめ)

<とにかく読みやすく気負わずに楽しめます>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

今日は、この本。

 

内容<amazonより>

私たちの日常に潜む小さな"歪み"、
あなたは見抜くことができるか。

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。

◆この本は

ボリューム:★★☆☆☆(ライト)

読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)

話題性  :★★★★☆(最近のネタが多く親しみやすい)

どんでん返し:★★★★★(やられまくり)

 

Z世代を中心に受けているというのは理解できました。1話が短い、素材が現代、何度もどんでん返される。自分のような普段ミステリ読まない層でも楽しめました。5話目は確かに一番良かったですが、その他の話は厚みが物足りないとも感じました。

 

◆内容紹介・感想

この本には、短編5話が収録されていて、YouTuberやオンライン会議など、今、流行のものが取り上げられていて親しみやすかったです。

それぞれの特徴をネタバレなしで少し紹介します。

 

1.惨者面談

家庭教師の営業に訪れた主人公ですが、この家のお母さんと息子の様子がどうもおかしい。

 

2.ヤリモク

主人公がマッチングアプリで娘とよく似た女の子をお持ち帰り。その先に起こったことは??

 

3.パンドラ

主人公は過去不妊治療で苦労の末、現在高校生になる娘を授かったが、その経験から、精子提供を行っていた。そして、主人公の目の前にあなたの娘ですという少女が現れる。

 

4.三角奸計

主人公は学生時代の友人2人と、「久々にオンライン飲み会」を開いていた。しかし途中から友人2人の言動がおかしくなり、「今から殺しに行く」など言い出す、、。

 

5.#拡散希望

元々、子どもが1人しかいない離島に移住した、主人公とあと2人の子どもとその家族の物語。島の子どもがスマートフォンを持っていて、それを見て「YouTuber」に憧れる主人公だが、ある事件をきっかけに、急に島の人々の主人公たちへの態度がよそよそしくなります。

 

<感想>

最終話の「#拡散希望」が良かったです。主人公たちが離島に引っ越してきた理由、周囲で起こる奇妙な事件、島の人々が自分たちに取る態度の変化、すべてが回収され、ゾッとするラストでした。

その他もパパ活、オンライン飲み会など、流行の題材を取り上げ、それらが抱える盲点を上手く活用しミステリーに仕上げているところはさすがです。

 

全体を通しては、とにかく読みやすい、逆に言うと厚みが足りない、というところがあるかなと思いました。

私はあまり普段ミステリーは読んでいないほうですが、それでも、「これが伏線でなんとなくこうなるんだろうな」という筋が見えてしまい、終わり方も唐突。

短編なので仕方がないところではありますが、これが本屋大賞にノミネートされるほど売れているというのは、時代を象徴している感があります。

 

以上で、感想を終えたいと思います。

では、また!