<とにかく成瀬のキャラなんですよ!>
おはようございます!じゃなかった、珍しく、こんばんは。ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
発売前から超話題沸騰! 圧巻のデビュー作。
◆この本は
ボリューム:★★☆☆☆(ライトです)
読みやすさ:★★★★★(とにかく楽しい)
青春度 :★★★★☆(甘酸っぱさは無いが、気持ちいい!)
滋賀度 :★★★★★(まるごと滋賀!!)
面白かったです。一冊まるごと「滋賀」の青春小説!
完全無欠キャラの成瀬は最高でしたが、人間味の最終話でさらに好きになりました!
でも、成瀬のイメージ、どうしても表紙のイラストと合わないんです、、。
◆内容紹介・感想
この本は、全6話の連作短編で構成されています。
1話目の、「ありがとう西武大津店」。
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
冒頭に、こう唐突に、親友の島崎みゆきに言い放ったのは、主人公の「成瀬あかり」。
成瀬は完全無欠の中学生。
成績優秀、スポーツ抜群。何をやらせてもすぐに誰にも負けないぐらいに上達していきます。
そんな成瀬がとった行動は、2020年8月31日に閉店することが決まった「西武大津店」に、夏休み中、毎日通うこと。
そして、カウントダウンを取材に来る「びわこテレビ」の夕方のワイド番組に、西武ライオンズのユニフォームを着て毎日写り込むことでした。
「成瀬はなぜ、このような行動を取ったの?」
これを読み解いていく、つまり成瀬という人物を理解しようとすることが、この小説の最も大きな楽しみになっていると、思いました。
とにかく成瀬のキャラクターがすごい。言葉で表現するのが難しいのですが、他にない特別な、ちょっと変わっていて、それでいて嫌味なところが全くないんです。
1話目は親友の島崎視点で語られているのですが、島崎からの、成瀬愛をひしひしと感じられる、なんとも素晴らしい青春小説に仕上がっています。
そして、この小説の、もうひとつの魅力が、「まるごと滋賀」というところではないでしょうか。
私は滋賀県民ではありませんが関西圏なのでここに出てくる西武大津店はじめ平和堂、ミシガン、膳所高校、競技かるた選手権などなど、地元ネタにはある程度馴染みがあるので、随所に出てくる小ネタには何度もクスッとさせられました。
これが、滋賀県民、大津市民なら堪らないのではないでしょうかね。
2話目の「膳所から来ました」では、
「島崎、私はお笑いの頂点を目指そうと思う」
から始まり(!)、成瀬は島崎とM-1グランプリの予選に出場してしまうんです!!
3話目以降は、別の人物が主人公になったりしますが、最後の6話目「ときめき江州音頭」では、遂に成瀬本人視点になっています。
完全無欠とも思えた成瀬ですが、案外危ういところや人間味を感じるところ、成瀬のキャラクターを最大限楽しめる内容となっています!
関西の方には特におすすめ、関西以外の方にもおすすめ。
甘酸っぱい青春の味はほぼありませんが、とにかく気持ちいぐらいの成瀬のキャラを楽しめました!
ところで、本人と思われるブログを発見したのですが、何とも庶民的で親しみが持てましたので、勝手ながら紹介しておきます。
以上で、「成瀬は天下を取りに行く」の記事を終わりたいと思います!
ありがとうございました。
では、また!