みんなの日常哲学カフェ ~哲学カフェとか読書とか

哲学カフェの記録を中心に、読書記事も書いています

旧:ちくわのぴょんぴょん読書日記

オンライン哲学カフェ第95回 絵本哲学カフェ「悪い本」①

<「悪い」とはどういうこと?>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

私が参加していたある読書会の知り合い同士で始めた「哲学カフェ」。

2020年より主にオンラインの場に移し、「オンライン哲学カフェ」として楽しんでおります。(※今のところ、クローズドでの開催です)

今回は、第95回開催になります。

 

前回の第94回開催の記事はこちらになります。

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

◆「哲学カフェ」とは?

哲学カフェとは、おもに身近なことがらについてテーマを1つ決め、それについてみんなで自由に意見を出し合う対話の場です。

「哲学」と書いていますが、ソクラテスやプラトン哲学がどうのといった話はほとんどしません。

私たちの哲学カフェで扱っているテーマは、「『普通』ってどういうこと?」だとか、「『自己責任』って結局何なの?」だとか、身近にありながら、答えがなかったり、人それぞれだったり、ふだんあえて時間をかけて考えたりあまりしない話題について、じっくり語り合っています。

そうすることによって、「あたりまえ」だったことに新しい側面を発見し、考え方・生き方に変化が起こることを楽しんでいければいいな、と考えています。

当哲学カフェはいわば「日常生活を哲学する」ことを目指しています。

 

◆「Zoom」を使っています

今回も、「Zoom」を使用。

「Zoom」はすっかりおなじみですがとても使いやすいオンライン会議アプリです。

主催が会議を「○○日の●時~●時」とスケジュール設定すると、「会議ID」が発行され、参加者はPCのZoomホームページやスマホアプリから、その「会議ID」を入力するだけで、アカウントを作る必要も無く、簡単に参加できます。

 

◆この日のテーマ

この日の参加者は8名(「聞き専」含む)。時間は2時間です。

オンラインにおいても、実際の哲学カフェのように、進行役を決め、1人ずつしゃべる方式にしています。

しかしながら一部の人しか画像を映していないため、挙手が見えないので、発言したい人は「ハイ○○です。」と言い、進行役が指名するという感じにしています。

今回も、いつもどおり進行役がひじき氏、私ちくわは書記役を担当しました。

 

この日はいつもと違い、「絵本哲学カフェ」を開催しました。

あらかじめ課題絵本を告知しておき、それについて哲学カフェを行うという読書会形式です。

課題本に設定したのは、こちらです。

 

本の紹介<amazonより>

宮部みゆきと吉田尚令が子どもたちに贈る、この世でいちばん悪い本。

この世のなかのどこかに存在している悪い本は、
あなたにいちばん悪いことをおしえてくれるでしょう。
そんな本いらない でもあなたは悪い本がほしくなります。
きっとほしくなります。

 

この本、形式としては「怪談えほん」ということで、シリーズ化されているようですね。

※以下の内容は、この絵本のすべての内容について触れていきますので、ネタバレが困る方はご注意ください。

 

◆疑問がけっこうある本

絵本なので、絵が主体で文章は少なめ。

まずは、読んでみて、おのおのが感じた感想や疑問点を出しあいます。

・「わたしは悪い本です」の「わたし」は誰?クマなの?女の子なの?

・ぬいぐるみ達の顔が怖い。

・なぜ、少女は森に入っていったのか?

・なぜ、ネコのぬいぐるみが潰されているのか?

・「このよのなかでいちばん悪いことをおしえてあげる」とあるが、どこに書いてあるのか?

 

まずは、「悪い」ということから

私も実は、この本を読んでみると正直わからないことだらけで、冒頭から疑問点が噴出してきます。

そんな中で、前半は文章を中心に、「悪い」ということについての検討がされていきました。

「この世の中で一番悪いこと」は何か。

「悪いことをじょうずにできるようになる」とはどういうことか。

 

「アダムとイブが知恵の実を食べたら、裸でいることが恥ずかしくなった」というたとえ話も出てきましたが、

「性善説を教えられてきた子どもが、『悪いこと』を肌で感じていくような過程」という意見からも、この本の文章の主題はそういうことなのでしょう。

 

しかしそれでも、「悪い」ということはどういうことでしょうか。

「良いことも悪いことも、すべてを『良い』ことにしてしまえる全能」

と言う意見は面白いものでした。

 

人々を扇動して戦いを仕向けたり、自らの利益のために事実をねじ曲げたり。

ほんとうの「悪い」とはそういったことなんじゃないか、ということですね。

えてして大人の世界はそういった「悪い」を日常的に行っています。

 

「『悪い』を『良い』に置き換えて読んでみたら、どう読めるだろう」という意見があって、実際に読んでみたら面白かったです。

 

哲学カフェ前半は、文章の内容についての議論がメインでしたが、後半はガラッと雰囲気が変わって、絵についての疑問・感想で盛り上がりました。

 

哲学カフェはまだまだ続きますが、長くなってきましたので、続きは日を改めて書いていきたいと思います。

 

では、また!