<自然と2周目を読んでしまう、よく構成された物語>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
はるか先を静かに見通し、慈しみ深く描いた未来の人類史
◆この本は
ボリューム:★★★★☆(そこそこ)
読みやすさ:★★☆☆☆(結構体力要る)
突飛さ :★★★★☆(SFなんですね)
構成 :★★★★★(伏線とネタ明かしの流れがすごいです)
久々に、「読書とは闘いだった。」と思わせた本との出会いでした。
出だしは設定がよく理解できず、暗中模索の読書になりますが、段々と仕掛けが明らかになってきて、ラスト付近の一気のタネ明かしとなるのですが、そうなるとどうしてももう一度最初に戻らざるを得なくなるんです!
◆内容紹介・感想
「形見」に始まり、「なぜなの、あたしのかみさま」まで、14の物語から成る、SF連作小説という構成になります。
・出だしの「形見」。
ー「お母さん」として、育てた子供は50人以上
ー男たちは「工場」へ行き、食料や「人間」を作ってる
ー子供の由来は、牛由来、クジラ由来、、、???
おいおい、ちょっと待てよ、、。
・次の、「水仙」
ー生まれたばかりの頃は、10人の私がいたと聞いたが、7人は育ち切らずに育った
あー、なんかクローンのようなことで人間が生まれていく世界なの?
子供たちを育てる「お母さん」という存在。
隔絶された世界を監視する「見守り」という存在。
違った世界に住む、違った人種。
最初は、なんのことか解らないまま、読み進めていかなくてはならないので、漠然としたイメージしか抱けません。
読み進めていくうちに、徐々に、明らかになっていきます。
「この世界は、いったいどうなっているのか?」
「どうしてこういう世界になったのか?」
「この世界を司る黒幕の正体は?」
「世界はどこに進んでいくのか?」
解らないまま読んでいって、だんだんと意味が分かってくる、っていうのは、例えれば、カズオ・イシグロ小説のようでした。
解らないワード自体が重要な意味を持っていて、あとからもう一度読み返してみると、そういうことだったのか、となります。
最後まで読んだ時、この壮大なストーリーの全貌が明らかになって、ため息が出ました。
読み終えた後、私は間を置かず、物語の最初に戻っていました。ここはこういうことだったのか、という答え合わせです。
2度楽しめる、お得な小説でもあります。
感想は以上になります!
では、また!