<動物たちが得た自由とはなんだったのか?>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、昨日に引き続き、「彩ふ読書会」参加レポートの続きです。
昨日の記事はこちら。
この日は、続けて第2部「課題本読書会」にも参加しました。
「課題本読書会」は、一冊の本が課題本としてあらかじめ設定され、その本の感想を参加者が語り合うという読書会になります。
今回の課題本は、ジョージ・オーウェルの「動物農場」。
今回の参加者は、主催の「のーさん」含めて14名(たぶん)。7名ごとに2テーブルに分かれて進められました。
私のテーブルは7名、進行役は過去にも参加されていたことのある方が事前に指名されていたようで、今回進行を務められていました。
参加者は、20代・30代の若い方が多かったように感じました。そして、この本が課題本だったことで、SFや歴史をよく読むという方が多かったです。
この本は、同じくジョージ・オーウェルの「1984年」と並んでよく読まれている名作で、ソビエト社会主義を「動物たちのおとぎ話」で風刺しているという問題作でもあります。
そんな本なので、私を含めて「1984年」の印象と併せて感想を話されていた方が多くいたように思います。
課題本読書会は、進行役が、最初に時計回りに1分ほどの自己紹介を促し、その後再び順番に、大まかな感想や、印象に残った点を2~3点話していき、1周したところで、フリートークという流れになっていました。
主な意見を箇条書きで紹介します。
※ここから先は、内容のネタバレを多分に含みますのでご注意ください。
・ディストピア小説なのに、アニメ調で怖くない
・支配者が家畜の代表であるブタだというところが面白い
・ブタ達が独裁に走るきっかけが、リンゴとミルクの分配をごまかした点
・それぞれの動物の立ち位置がさまざまで面白い
・若いブタたちが粛清されるところが生々しい
・どんな主人にも忠実な馬のボクサーは、動物たちと結束して反抗できなかったのか
・宣伝役のスクウィラーは記憶を改ざんすることで、過去を変えることができる
・ソビエトだけでなく、現代でもあてはまる独裁国が思い浮かぶ
・自由を得たはずなのに、動物たちは自由になれていない
・一部の人だけが富を独占する構造は、現代にも当てはめることができる
・わかりやすいフレーズを使うことで、洗脳できる
・「楽園がある」と思ったことが失敗であって、みんな平等にいく世界はない
・政治に無関心だと、蹂躙されてしまうものだ
・仮想敵をその都度上手くでっちあげて、自分たちの結束を高めようとしている
改めて、この本は相当な名作であると同時に、なかなかの際どい風刺作品であることがわかりました。
革命のシンボル、プロパガンダ、でっち上げ、粛清、過去の改ざん、仮想敵の設定、終わらない公共工事、、、
表現は「おとぎ話」ということでマイルドにはなっていますが、ディストピアですね。
しかしよーく考えてみると、現代の自分たちは資本主義で自由を得たはずなのに、
貧富の差が大きく窮屈な暮らしを強いられているという事実に気付かされ、
あれ、この動物たちと大差ないのでは?と恐ろしくなってしまうのです。
あっという間に、約1時間の読書会が終了しました。
終了後、少し会場に残っての参加者さんとのフリートークの時間があり、本についての話ができるのも楽しいところです!
以上で、第2部のレポートを終えて、3月「彩ふ読書会」のレポートを締めたいと思います。
ありがとうございました。
では、また!