<未来志向、ばかりでいいのか!>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容紹介<amazonより>
"神は死んだ""超人たれ!"ニーチェの残したアフォリズムの数々の本当の意味を、ひとりの少年の成長物語を通じて解説。読むと元気のでるまんが作品に仕上げました!
第1章 神は死んだ
第2章 ニヒリズムと末人
第3章 永劫回帰と超人
◆この本は
ボリューム:★★☆☆☆(軽め)
読みやすさ:★★★★☆(まんがで読みやすい)
学び :★★★★☆(入門書としてよくできている)
考える :★★★☆☆(さらに別の本は読んだほうがいいかも)
「神は死んだ」「永劫回帰」など、ニーチェの主要ワードをまんがでやさしく理解できます。
格差社会の今こそ、自分の生き方を考え直すきっかけになりますね。無意味⇒意味への発想の転換は、案外仏教に通じるところもあるな、とも感じました。
◆内容紹介・感想
この本は、ストーリー仕立てのフィクションを通して、わかりやすくニーチェの思想を学ぶことができますが、「ツァラトゥストラはかく語りき」のストーリーとはまったく違うと思われます。
おもな登場人物は、才能あふれるサッカー少年カツキと、謎の老人。
サッカー少年カツキの青春ストーリーに乗せて、「神は死んだ」「永劫回帰」を学べるってどういうこと??と思ったのですが、そこそこ学べてしまうものですね(笑)
母子家庭のカツキが愛してやまないお母さんは、敬虔なキリスト教徒。
母に付いて日々神に祈っても、チームはぜんぜん勝てないし、そもそも皆もっとちゃんと練習してくれないし、、ってカツキがぼやいている時、突然目の前に「謎の老人」が現れます。(なかなかインパクトの強い老人)
「残念だが、あと一万回祈っても、君の願いは叶わん。」
「なぜなら、神は死んだ。」
えー!このジイサンなに言ってんだ!ってカツキは当然なるんですが、ここから、突然の3Dプロジェクションマッピングが始まり、「神というものは、人間が作ったもの」という解説に入っていきます。
そんなことだから、世の中の価値観すべて、人間が作った幻想である、というふうに論は展開され、それに振り回されるだけの「末人」という存在について語られたとき、これって、まるっきり現代人を示している、なんて思わされます。
そして極めつけが「永劫回帰」。
永劫回帰とは、永遠に同じ人生を繰り返すという、究極の思考実験です。現実にはまぁそんなことないのですが、もしそうだとすると、いま私たちが日々やっている事の価値観が全てひっくり返ってしまいます。
カツキは脚を故障しサッカーが続けられなくなってしまうのですが、必死にリハビリにもがいたとしても、どうせ結果は決まっていて、それを永遠に繰り返す。これはまさに拷問といえるのではないでしょうか。
そんな絶望感ただよう永劫回帰の世の中で、それでもニーチェは活路を見出そうとしたのが、「超人」という考え方です。
この考え方は、そんな未来のことばかり考えて絶望している暇があったら、もっと本能のおもむくまま「今」を精一杯味わって、「今」を生きろ、ということなんです。
ニーチェというと、神は死んだ=弱肉強食というイメージばかりが強かったですが、永劫回帰を理解することによって、より「今」に着目することの価値を学べたような気がします。
感想は以上になります!
では、また!