私ちくわは関西を中心に活動している読書会、「彩ふ読書会」に、
昨年5月からサポーターとして活動しています。
彩ふ読書会の目的は「本が好きな方の居場所作り」です。
「家庭でもない、職場でもない、第三の場所」をコンセプトに、色んな価値観を持った方々が集まり、意見を交換し合うこと、また空間を共有しあうことで新しく生まれる何かを楽しもう、という集まりです。
ジャンルは問いません、いい意味で、「何でもアリ」なので、男女問わず、また若い方から年配の方まで、気軽にアットホームな雰囲気で、リピーターさんも多数いらっしゃいます。
それでは、午後の部「推し本読書会」のレポートです。
参加者は20名。男性12名、女性8名。
3テーブルに分かれてそれぞれオススメの本を持ち寄り紹介しました。
私が参加したテーブルでは6名で、写真のような本が紹介されました。
①「名もなき王国」 倉数茂
「もしあなたが本好きを自任するなら読むべし」新聞書評を見かけて、読んでみたこの短編連作小説。現実と虚構が入り混じる、いい風に言うと幻想的、悪く言うと読みにくい。途中でやめようと思ったけど、がまんして順番に最後まで読むと、すべての謎が解け、読んで良かったと思う、よく作りこまれた作品だそうです。
②「ぎょらん」町田そのこ
私ちくわの紹介本です。
普段あまりこういう本は持ってこないのですが、あまりに泣けたので、持ってきました。
はじめ読んだときは8回泣き、前日に読み返したら4回泣きました。ほんまです。
人が死ぬ瞬間に遺す、いくらのような赤い珠「ぎょらん」。
それを口にしたものは死者の最期の願いが見えるという噂が。
葬儀社という仕事に出会い、「ぎょらん」の正体を追いかけながら、
人間として成長していく、感動の短編連作小説です。
③「八日目の蝉」 角田光代
推し本は初参加の方です。大作を持ってきてくれました。
不倫相手から誘拐してきた子供にも、母性を感じる?ほんの短い間過ごした子供のほうは、彼女をどう思う?大きくなったら?男女の考えの違いは?
答えのない問答に、お互いが時間を忘れて感想をぶつけ合う、盛り上がりとなりました。
④「ハプスブルク家の食卓」 関田淳子
「食」を軸に歴史が学べる、面白い本です。
にしては、お料理写真が少なく、どちらかというと、ハプスブルク家の歴史に重点が置かれているようです。
でもスープのレシピとかも載っていたり、またカトラリーについての話とか、
その時代が好きな人にはたまらないだろうなと思います。
司書をされている方からの推し本は、漱石の短編集です。
漱石は、お堅い時代にあっても、文章にユーモアとウィットが溢れているところがお好きとのこと。
そんなユーモアが全編に満載されているのが、「クレイグ先生」のお話。
また「変な音」も、主人公と病室の隣人との境遇の対比がとても良いそうです。
⑥「平成くん、さようなら」 古市憲寿
芥川賞候補作、テレビに出ているあの人の作品です。
古市さんの私小説的な物語で、
安楽死が合法的になった日本が舞台のお話だそうです。
平成の終わりに、平成ワードを散りばめ、時代を象徴するような作品。
色んな意味で古市氏だな、と思える論理で、共感できるところも多いとのことです。
さらっと読めそうなので、読んでみようと思いました!
他2テーブルの紹介写真はこちら。
こう見ても、かなりのバラエティですね!
(地球の歩き方もあったりします!!)
今回も初参加の方が5名ほどいらっしゃいました。
なかには20代の若い方が、70年ぐらい前の古い本を、kindleで持って来られており、
読書好きも奥が深いな、と感じました。
夕方のレポートはまた改めて。