ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

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「世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ」 山本秀樹

<『学び方を学ぶ学校』ライフシフト時代の汎用スキル>

 

世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ

 

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

今日は、教育本です。

 

◆「ミネルバ」って?

 

「ミネルバ」という大学があるそうです。

正直、私は知りませんでした、すみません。

 

それが今や、「ハーバード以上の難関」といわれる大学だそうですが、なんと創立は2014年!新しい!!

 

創立者ベン・ネルソン氏が「高等教育の再創造」をコンセプトに全く新しい大学を立ち上げました。

 

「再創造」とは、既存の教師→学生への「知識普及」の形式をきっぱりとやめ、

より「実践的な知恵」すなわち「学び方を学ぶ」教育を推進しようというコンセプトです。

 

◆実践的な知恵とは?

では、ミネルバで身に付けられる「実践的な知恵」とは何でしょう?

それは、大きく分類して4に分けられています。

 

①クリティカル思考

 →主張を分析・評価し、正しく優劣をつける能力。

 

②クリエイティブ思考

 →問題や課題を発見し、新しい製品やサービスを創造する能力。

 

③効果的なコミュニケーション

 →効果的な言語表現、また非言語コミュニケーション能力。

 

④効果的なインタラクション

 →交渉や説得、他者とのコラボレーション能力。

 

以上です。

自分が大学の頃には、このようなカリキュラムは全く存在しませんでした!

 

◆カリキュラムの特徴

ミネルバは、キャンパスがありません(!)。

 

寮はありますが、基本的にはオンライン授業です。

 

すべての生徒が見えるように、コンピュータを何画面かに分割し、討論型の授業を行います。

 

そして、一定期間ごとに、世界の7か国を移動し、地域のプロジェクトベースでハードなカリキュラムを進めます。

 

「今日はこの能力強化に重点を置く」といったような授業で、まさにスポーツの「今日はこの部位を鍛える」といったトレーニングですね。

 

◆完全なアクティブラーニング

授業は一貫して「講義」をしません。

 

授業の殆どはグループワークと討論となります。

何と、教授は「10分以上の講義を禁止」されているのです!

 

では教授の役割は何かというと、個々の学生の強み・弱みを分析し、「個人単位で適切なフィードバックを与えること」です。

 

テストもしません。

評価は、毎回の発言によって採点されるのです。

しっかり予習をして、問題点を明らかにしたうえで、授業に臨まないと絶対についていけないのです!

 

◆アクティブラーニングの意義

最初に述べた「実践的な知恵」というものは、結局「実践」からしか身に付かないのです。

いくら講義でふむふむと納得しても、自分のものにはなりません。

 

ストレスを受けながら、自分なりに一生懸命創意工夫する経験をしないと、身に付かないのです。

 

学校としては、学習効率は非常に悪いです。

 

しかし創立者は、敢えて効率が悪くてもこれをやるんだという信念をもって、行動に移した結果、このように優秀な人材がこぞって集まる大学になったのです。

 

◆これからの教育の姿

もう聞き飽きたと思いますが、本当にめまぐるしく時代は変化しています。

 

現在の小学生が15年後に就く仕事の65%が、「現在では存在しない仕事」であるといわれています。

確かに、私が子供の頃には「ユーチューバー」なんて存在のかけらもありませんでしたからね。

 

そんな時代だからこそ、重要なこと。

・知識の蓄積(ストック)ではなく、常に吸収し続ける態度(フロー)。

・日々の努力を怠らないことで自分を進歩させていく、という心構え。

・多様な価値観を受け入れ、理解しようと努め、それに学んでいく姿勢。

 

書いていて、「姿勢」ばっかりじゃないか!ということに気づきました。

 

「学び方を学ぶ」こととは、まさにこのように、変化を受け入れる姿勢そのものだと思います。

 

ミネルバにわが子が入ってくれれば理想ですが、そうでなくとも、出来ることはあるのではないかと思います。

 

まずは、教育を行う側(=大人)が、ライフシフト時代を受け入れる覚悟というか、柔軟性が必要なのではないでしょうか。

 

◆そして、私

一児の父です。

 

子供に対してできること、それは、いつの時代も同じ、

「自分の背中を子供に見せる」ことです。

 

「『自分の子供時代』と『いま』は全く違う」ことを理解すること。

「新しいものを、興味を持って受け入れること」を楽しむこと。

「失敗を経験することでしか成長できない」こと。

「ひとの話をよく聞く」こと。

 

「知識」じゃない。「知恵」だと思います。

 

 

では、また!