<めんどくさい女といえばそれまでなんだけど、、>
こんばんは。ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
今日は、読書会仲間よりお借りした、この本です。
昨年、菅田将暉主演で映画化もされています!
<内容紹介 amazonnより>
あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。
25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが……。
誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい“愛"の姿。
芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。
◆「めんどくさい女」といってしまえば、それまでなんですが
この小説の主人公は、精神の浮き沈みが激しい女、寧子と、同棲状態にいる男、津奈木とのお話です。
寧子は、起きられないから、いつも寝ている。理解できない事で、キレる。
津奈木は、それに適当に応じつつ、それでも別れずに一緒に暮らしてます。
男の私から見ると、とにかくめんどくさい女です。
なんで、別れないのだろう?と不思議に思うのが第一です。
でも、寧子は常に葛藤しているんです。
他の人は、みんな当たり前にできている、「朝起きて、夜寝る」ということが、できないのです。
めんどくさい女と言えばそれまでなんですが、自分では「何とかしたい」と思っていても、どうすることもできない、自分へのいら立ちをすごく感じるのです。
ブレーカーを何度も飛ばしてしまい、突然ポロポロ泣き出すシーンなんかは、とても印象的です。
〇〇だからって決めつけて、あまり深入りしないように、って思ってしまうのですが、こういう風に書かれると、すごくわかるような気がして、そういう気持ちも理解しなきゃなって、思いましたね。
母に関する思い出の6割は、布団で臥せっていた。残りの3割は躁状態で、まともな思い出は1割だった。
こんな風に書かれると、なんというか、つらいですよね。
◆不思議な愛のカタチ
映画では、菅田将暉演じる津奈木との愛がもっと強く・切なく描かれているようですが、私が読んだ限りでは、結局二人の愛はどんなもんか、よくわからないままでした。(私の読解力のなさ?)
不思議な関係というしかないんですよねー。
気になる方は、読んでみてください。全135頁、すぐ読了できますから。
触れませんでしたが、津奈木の元カノも面白いですよ~
最後に最も印象に残った寧子の言葉を。
「あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね。一生。」
では、また!