ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

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主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「無理の構造」 細谷功 覚えておいて損はない1:9の法則

<何故、ダイエット本は無くならないのか>

 

こんばんは。ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。

 

今日は、今年最も印象を受けた本のひとつを紹介します。

 

1日で語るのは勿体ないほど学びの多い本でしたので、何度かに分けて紹介させていただきます!

 

「無理」の構造――この世の理不尽さを可視化する

 

<内容紹介 amazonnより>

努力が報われず、抵抗が無駄に終わるのはなぜか。
本書では、「世の中」と「頭の中」の関係を解き明かし、
閉塞感や苛立ちの原因に迫ります。

 目指すは「思考のコペルニクス的転回」であり、
 「理不尽なのは〈世の中〉ではなく、私たちの〈頭の中〉である」が
 本書のキーメッセージです。

 

◆「1:9の法則とは?」

中でも私が最も印象に残ったのは、これです。

世界一有名な「8:2の法則」とは少し違います。

 

「1:9の法則」を簡単に言うと、

「カギを握っているのは1で、実際に動かしているのは9である」

ということです。(これであってるかな?)

 

例を挙げていきます。

①企画をしている人は1で、実行している人は9。

②改革を望んでいる人は1で、安定を望んでいる人は9。

③問題を発見する人は1で、問題を解決する人は9。

④スーパーヒーローは1で、スーパーヒーローに憧れる人は9。

⑤能動的な人は1で、受動的な人は9。

⑥理想的な人生を送っている人は1で、現実的な人生を送っている人は9。

 

◆これは何を指していて、だからどうなのか?

この本では、

「1:9の法則を理解し、求められている価値観と、現実に起こっている事にはギャップがあるということを前提に、合理的な行動をとるのをおすすめする」

というふうな解説にとどめています。

 

しかしながら、これは非常に示唆に富んでいる部分だと思います。

 

ここからは私の感想です。

 

◆「スーパーヒーロー」の存在

例えば④のスーパーヒーローをプロ野球選手に例えてみます。

 

プロ野球選手が1とすると、野球少年や野球ファンが9です。

 

例えすべての人の野球技術が上達(底上げ)したとしても、1:9の構図は多分変わることがありません。

だから、1になる人は試合に出てCMに出て、9の人がそれに対しお金を払い続けます。

 

◆理想と現実

例えばダイエット。

 

世の中から「ダイエット本」が無くならないのは、「ダイエットしたいという価値観」は9あっても実際は「ダイエット出来ている人」はいつも1であるということです。

 

投資の本が無くならないのも同じ。

 

特に健康やお金関係の価値観は、1:9の法則が当てはまることが多いのではないでしょうか。

 

 

◆敢えて挑戦するか、迎合するか

こういう書き方をしましたが、前者が善で後者が悪というわけでは決してありません。

 

1の側に立つ人は、その希少性により富や名声を得ることができる一方で、苦労が多いということです。

 

あらゆる面で1になることは出来ませんが、たった1つのことで1になることは不可能ではないと思います。

 

そこがチャンスであるということがひとつです。

 

◆9を理解する

そして、もうひとつ。

もっと大切な事が、「9を理解する」ことです。

 

プロ野球選手は野球のプロです。ほとんどの一般人が出来ないことができます。

 

だからこそ、その奥義を晒して、皆に野球をやってもらおう!というのもいいのですが、それよりも、多くの野球少年や野球をしない人に対してのメッセージが強い方が、うまくやることが出来ます。

 

実際に野球ビジネスを動かしている、ファンである9をより理解した打ち手を打つことが、成功の秘訣になるということです。

 

それは例えばファンサービスであったり、初めての方にとっつきやすい球場の解説本であったりするんじゃないかと思います。

 

②の改革者の例をとってみると、改革者はその他のみんなを改革者にしようと努力するのではなくて、「安定志向の人は大部分なのだ」と理解したうえで、現実的な打ち手を順番に打っていったほうが結果として成功確率が高まると思います。

 

◆「非対称性」という考え方

「1:9の法則」のような考え方は、この本の主題である「非対称性」という考え方に基づくものであり、これについては、また後日ご紹介したいと思います。

 

何度も繰り返しますが、この本は非常にためになります。しかもとても読みやすい!

読んでおいて損はないですよ!

 

では、また!