<「上は現場を分かっていない」の仕組み>
こんばんは。ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
そろそろ最後にしたいと思います(笑)
<内容紹介 amazonnより>
努力が報われず、抵抗が無駄に終わるのはなぜか。
本書では、「世の中」と「頭の中」の関係を解き明かし、
閉塞感や苛立ちの原因に迫ります。
目指すは「思考のコペルニクス的転回」であり、
「理不尽なのは〈世の中〉ではなく、私たちの〈頭の中〉である」が
本書のキーメッセージです。
◆「上は現場をわかっていない」
はい、あります。どこにでもあります。何だったら毎日思っています。
例えば、会社で使っているシステムの入れ替えがあったとします。
それで自分たちの手間ばっかり増えて、挙句の果てにお客さんにまで迷惑をかけてしまっています。
現場は明らかに戸惑っています。あちこちから不満の声も上がっています。
でも、上層部は、そんなことは織り込み済み、涼しい顔で見守っています。
だって、そのシステムは社内の連携を一元化させ大幅なコストダウンにつながる事が分かっているからです。
「一歩引いて見てみると」「別の視点から見てみると」などとよく言いますが、現場の人間は自分の持ち場がすべてで、そんな視点には立つことができません。
でも、もし高い視点を持った誰かが、これを知って、「全体最適」になるのなら頑張って(我慢して?)このシステムを使おうじゃないか、という動きがあるかもしれません。
全体最適になるということは、会社の利益につながりいずれ自分の給料にも返ってくることですから。
この「全体最適」を意識しながら実際の作業に当たれる人は、将来人の上に立って働くにふさわしい人なのでしょう。
もっと極端な話ですが、昔の戦争に例えてみます。
物量的に不利なので、ある地点で敵を食い止めておいて、その隙に別の部隊が背後に回って城を奪い取る、という奇襲作戦をとったとします。
食い止める方の前線部隊は、1人、また1人とやられていきじりじりと後退していきます。もしかしたら末端の人間は奇襲作戦について、聞かされていないかもしれません。
次は私がやられる番かも、なんでこんな負ける戦いを仕掛けるのだ、上層部は何を考えているのだ。と思うことでしょう。
でも上層部にとってはこれは元々が時間稼ぎの戦術ですので、織り込み済みなのです。
「知っている」上層部と「知らない」前線部隊では意識が食い違って当然です。
でも時間稼ぎというこの作戦の目的を「知って」しまったら、自分の動きはおそらく変わると思います。
ブーブー文句言っていた「知らない」ときには戻れないと思います。責任を感じ、冷静な判断が出来るようになるかもしれません。
例えばただ順番に戦うだけでなく、ちょっとバラバラになってみるとか、林の中に入ってみるとか、一騎打ちイベントを起こしてみるとか(ゲームか)。
◆具体と抽象
具体と抽象という言葉があります。
しかし、この違いを理解し、意識的に活用できている人は驚くほど少ないと思います。
おそらく「抽象」=「わかりにくい」、「具体」=「わかりやすい」ぐらいに考えている事ともいます。私がそうでした。
先ほどの例では「現場」が「具体」で、「上層部」が「抽象」と言えると思います。
仕事でいうところの「施策」や「重点活動」が「具体」で、「ビジョン」や「方針」が「抽象」、ということになります。
よく「戦略」と「戦術」の違いとは?と言われますが、「戦略」は「抽象」で「戦術」は「具体」ですね。
そして「戦術」はミスしても取り返せるが、「戦略」をミスすると取り返しがつかない。といいますよね。
最初の例に当てはめると「システム入れ替え」が「具体」で、「利益体質に変える」
が「抽象」となります。
そう、「抽象(=上位概念)」を理解することで、目の前に起こっている出来事への対処方法が変わってくるのです。
それをする/しないだけでなくて、別なオプションを考えることもできるでしょう。
まあ、そんなところで「抽象」の重要性がだんだんわかってきました。
若干中途半端気味ですが、そんなことは気にしません。
今日はこれで終わります。
「具体と抽象」については、この方の別の著書その名も「具体と抽象」に詳しく書かれていますので、いずれその紹介をしたいと思います!
ちなみに読書会仲間の「ひじき氏」がこれを先に書いておられますので、ご興味のある方は是非覗いてみてください!
では、また!