ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

彩ふ読書会 ~京都北山 9月 ②課題本読書会 「ガリバー旅行記」スゥイフト

<えー!こんな本だったのね!>

私ちくわは関西を中心に活動している読書会、「彩ふ読書会」に、

18年5月からサポーターとして活動しています。

18年12月より始まった京都開催のサポーターリーダーとして、日々お手伝いさせていただいています。

 

彩ふ読書会の目的は「本が好きな方の居場所作り」です。

「家庭でもない、職場でもない、第三の場所」をコンセプトに、色んな価値観を持った方々が集まり、意見を交換し合うこと、また空間を共有しあうことで新しく生まれる何かを楽しもう、という集まりです。

ジャンルは問いません、いい意味でバラけていて、「何でもアリ」なので、男女問わず、また若い方から年配の方まで、気軽にアットホームな雰囲気で、リピーターさんも多数いらっしゃいます。

また、「皆で作っていく読書会」というのも魅力です。私のようなサポーターだけでなく、リピーター参加者の方に進行役や会場セッティングを手伝ってもらいながら、運営しています。

 

iro-doku.com

 

9/15(日)は第10回京都開催でした。

 

午前の部:推し本読書会

午後の部:課題本読書会 「ガリバー旅行記(スゥイフト)」

夕方の部:「ヒミツキチオブサクラカフェ改め大人の学童保育(ブックポーカー)」

 

今回も「SAKURA CAFE」さんで行われました。いつもありがとうございます!

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それでは、午後の部のレポートです。

 

本日参加は21名。男性8名、女性13名。

初参加の方は4名いらっしゃいました。

テーブルを3つに分けて、スタートしました。

 

今回の課題本は、ほとんどの人が知っている、こちらの作品。

ガリバー旅行記 (角川文庫)

<内容説明(amazonより)>

小人たちの国、巨人たちの国、空飛ぶ島の国、馬たちの国…イギリスに妻子を残し、懲りずに旅を続けたガリバー。彼が出会ったおとぎの国々を、誰もが一度は夢見たことがあるだろう。子供の心と想像力で、スウィフトが描いたこの奇想天外、ユーモアあふれる冒険譚は、けれどとびきり鋭く辛辣に、人間と現実社会をみつめている。読むたび発見を新たにする、冒険旅行小説の歴史的名著。抜群に読みやすい新訳版。

 

開始時刻の13:40になりますと、司会者より挨拶・案内があります(今回は私が司会を務めました)。

その後各テーブルの進行役にバトンタッチし、読書会がスタートです。

 

私は、Aテーブルに入りました。

テーブルの進行役は、同じく京都サポーターのひじきさんです。

ということで、詳細のレポートは彼のブログに近日中に掲載されることとなりますので、私からは、ざっくりとした雰囲気を述べさせていただきたいと思います(適当)。

syodokeidiary.blog.jp

 

テーブル参加者は7名。最初に簡単な自己紹介をおこないます。

この日も、学生さんから学校の先生など、多彩なメンバーでございます。

 

※ネタバレを多分に含みますので、以下、本書を読みたい方はご注意ください。

 

◆黄色の付せん

ひじきさんの進行スタイルは独特です。

それは、「付せん」を使います。

2色の付せんを使って、それぞれに感想を出してもらい、トピックを拾っていくのです。

まず、黄色い付せん。「海岸で若い二人が恋をする物語」というふうに、物語の印象を一言で述べてもらいます。

 

で、並んだのが、こちら。

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そうなんです!ガリバー旅行記はメチャクチャどぎつい「風刺」物語なんです!

児童文学や絵本では、「小人の国」のみを取り上げ、ファンタジーな物語としてほとんどの人が(私も)認識しているこの作品ですが、冒頭にもあるように4部作で、後半に行けば行くほど人間・社会に対する風刺表現が激しくなっているのです。

 

 ◆青い付せん

続いて、青い付せん。

これは、各論OKで思い思いの感想を出していきます。

出てきたのは、コチラ。

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第1話「小人の国」と第2話の「巨人の国」では、全然違う人種に対しお互いに理解を深めていく、なかなか理性と寛容を味わえるストーリーになっているのですが、2話のラストぐらいから、風向きがおかしくなってくるのです。

 

3話の「天空の島(ラピュタといいます)」では、実現できないことを夢想ばかりしている人間の国で、夢想しすぎて国が荒廃してしまっています。

 

4話の「馬の国」では、もはや人間は野蛮で言う事を聞かない、忌み嫌われるタチの悪い生物に成り下がっています。

 

「政治は腐敗している」、「戦争ばかりしている」、「強欲なもののみが上に立つ」、、、、。

そこまで言うかというぐらい、ガリバーは自分が人間であるということも忘れて、人間批判を繰り返します。

 

最終的には、元の世界に帰りたくない!と駄々をこねる始末。

 

ガリバーが人間批判をして、さらに「批判が過ぎるガリバー」も批判されてしまうという、まあ何ともどぎつい論調であるのです。

 

でも、「風刺ではあるが、ふつうにおとぎ話としても面白い」という意見もあったのが、救いでしたねー。

 

 

◆「ガリバー旅行記」を読んでよかったこと

おひとり「少年文庫」をお持ちの方がいらっしゃいましたが、上記のようなどぎつい表現どころか、3・4話はまるごとカットされているのです!

 

私たちが、ガリバー旅行記は「小人の国へ行くファンタジー」だと思いこんでいたことが納得できました。

 

それを見事に覆され、今回も新たな読書経験をさせていただきました。

 

読書の世界というのは、奥が深いですねー(しみじみ)。

 


次回の京都開催は10/20(日)となります。

お申し込みは、HPのフォームから予約できます。

料金は¥1,500(事前決済、当日払い両方可)。

 

10月の課題本は又吉直樹さんの「劇場」。

 

SAKURA CAFE さんはキャパがありますので、結構いけますよー。是非ご参加ください!!

 

iro-doku.com

 

それから、大いに盛り上がった夕方の部「ブックポーカー」の模様は、日を改めてレポートします!

  

では、また!