<最大多数の最大幸福>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
今日は、これ。
内容<amazonより>
ソクラテス、プラトン、ベンサム、キルケゴール、ニーチェ、ロールズ、フーコーetc。人類誕生から続く「正義」を巡る論争の決着とは?私立高校の生徒会を舞台に、異なる「正義」を持つ3人の女子高生のかけ合いから、「正義」の正体があぶり出される。
この飲茶という方、哲学をとても分かりやすく解説してくれるんですが、とりわけこの本は最高傑作といってもいいのではないでしょうか。
正義とは何か?をテーマに、代表的な3つの正義である、
「平等」・「自由」・「宗教」について、それらは互いに相いれないことであり、どうして対立するのか?誰にとっても正しい正義というものは存在するのか?
歴史上の哲人の考えを基にして、ラノベ風に絶妙にアレンジされた学園ドラマの中で、とことん分かりやすく解説しています。
ということで、簡単ですがその3つの柱をもとに、内容の紹介と感想について述べていきたいと思います。
◆平等(功利主義)
平等というと、おおむね「よいこと」というイメージがあります。
反対を考えると、不公平や差別といった悪いイメージが浮かんできます。
でも、すべてが完全に平等になるとどうでしょう。
共産主義がうまくいかなかった歴史から明らかなように、労働意欲が低下したり個人の特徴が活かされなかったりします。
そこで、「最大多数の最大幸福」という考え方を紹介しています。
ベンサムが主張する「功利主義」 とよばれるものです。
例えば、「困っている人により多く分配すると、全体の幸福度が高まる」という考え方です。2個のおにぎりを2人に平等に1個ずつ分配するよりも、お腹が空いてたまらない人に2個あげて、おなかが一杯になっている人には配らない方が全体にとって良い、そんな考え方です。
災害現場で多くの人を助けるための「トリアージ」なんかもそうですね。
功利主義は「公利」とも呼ばれるゆえんです。
それを社会システムにしようと一生懸命ベンサムは考えました。
人間の幸福度をプラスマイナスで数値化するというアイデアになります。
先ほどのおにぎりの例で言うと、2個のおにぎりを幸福度が最大になるように配ることを数値化して考える、ということです。
「ゲームは1時間まで」という条例が議論されたという例を考えると、子供がゲームにハマる快楽と、ゲームを我慢することによって将来得られる自分の幸福、あるいはみんなが勉強をしなかったことによって将来訪れるかもしれない不幸を天秤にかけているということになります。
刑務所は犯罪者に不自由という苦痛を与えますが、それによって多くの市民が犯罪に巻きこまれることを防ぎます。
こうやって考えると、功利主義「最大多数の最大幸福」は社会を作るうえでの基本的な考え方であり、尊重されるに値するもののように思えます。
しかし、これを突き詰めると真の幸福が訪れるのか、というとそうではないようです。
功利主義には多くの問題点があるというのです。
あ、
そろそろ洗濯干さなきゃいけないので、続きは改めて。
では、また!