<穏やかな成功って?>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
今日は、この本。
内容<amazonより>
「業績至上主義」の会社経営に革命を起こす一冊!
- ランチのみの国産牛ステーキ丼専門店
- どれだけ売れても、1日100食限定
- インセンティブは、早く売り切れば早く帰れる
- 営業わずか3時間半、11時から14時半
- 飲食店でも、残業ゼロ
- なのに従業員の給料は、百貨店並み
「従業員が働きやすい会社」と「会社として成り立つ経営」を両立させるために、
「前年対比売上増」も「多店舗展開」も「KPI」も、捨てた。
その業績至上主義とは「真逆のビジネスモデル」を紹介します。
読者が選ぶビジネス書グランプリ2020 イノベーション部門賞受賞
表題から、もうセンセーションですね!
この本は、京都の「一日百食売ったら必ず閉店する」革命的な食堂「佰食屋」を経営する筆者の、新しい飲食店経営を余すところなく紹介されています。
◆仕事が終わった時、外が明るいと、それだけで嬉しい
外が明るいと、こんな早く帰っていいのだろうか、と思う私は、昭和?
大体において、仕事というのは際限がありません。自分で「今日はここまで」と決めないと、やらなきゃいけないことはいくらでもあるので。
でも、「佰食屋」は、「百食売ったら終わり」です。目標は、これだけです。
どうして、もっと売れるのに、売らないのか?
「それは、売上拡大を追うことをやめた」からです。
「企業は成長させなければいけないもの」という考え方を捨てたからです。
そうすると、どんないいことが起こったか。
従業員が早く帰れるようになり、無理して働くことないので気持ちが明るくなり、目の前の接客に集中できるようになり、接客が良くなりリピーターが増え、さらに早く店を閉められるようになる。
筆者の中村さんの考え方はすごくシンプルです。
「自分が嫌なことは従業員にさせたくない」
「早く帰れない」ことは、「給料が少ない(少なさにもよりますが)」以上にキツイことなんです。
サザエさんのように、みんなで夕食を食べること、こんな普通の幸せがどうしてできないんだろう?ということに改めて疑問を持ってみたら確かにそうなんですよね。
◆そもそも就業時間内で利益を出せない事業なんてダメ
残業ありきの業務内容。1人欠けると店が回らなくなる。いつも人手が足りない。休みにくい。誰かが休むといつもピンチヒッターで呼ばれる。
飲食店に限らず、あるあるだと思います。
筆者は、それを「経営者の怠慢」とバッサリと言い切ります。
従業員に負担をかけない利益構造になっていないから、そうなる。
まずは利益が取れてリピート客が続く商品力。
そして百食で黒字になるコスト構造。
詳細は読んでいただいたら理解できるのですが、印象に残ったのは、
「業績アップに向かって皆で頑張ろう!」ではなく、
「目標を決めず、従業員を大切にしていたら、自然と会社が成長していった」
ということです。
これを読んで、「ティール組織」を思い出しました。
経営者に決定権がないティール組織と、オーナーがどっしりと構えている「佰食屋」は手法としてはかなり違いますが、「売上を追わなくなったら、社員が生き生きと働いて、いつの間にか成長してた」という点では同じです。
つまり、事業の成長に向けて、みんなで努力する会社と、
みんなで努力していたら、事業が成長していた、という逆の発想なんです。
これ、似ているようで全然違うと思うんです。
前者は、「会社の目標のために今働いている」、という感じで、後者は「自分が働きたいから働いている」という印象ですね。
◆「誰かいい人はいないのか?」の前に「うちはいい会社なのか」を考える
この会社の採用基準は、「いまの従業員たちと合う人」それだけです。
やる気に満ち溢れている人でも、次から次へと売り上げ向上のアイデアを出してくるひとでもありません。
むしろそういう人はヨソで働いてください、というんです。
それよりも、経営者のやり方を理解し、良好な人間関係を大事にし、今日の仕事に集中する、そんな人を採用するというのです。
ここにも、売上よりも従業員の幸せを優先している、ということがよくわかりますね。
「コツコツ丁寧に、毎日決められたことを、きちんとやる。そんなひとに活躍してほしい、そんなごく平凡な働き方が評価されない世の中だから。」
という言葉の中に、私たちの「成功」って何だろう?を改めて考えさせられます。
やはり、それは、自分で「どんな生き方をしたいのか」を良く考えて、自分が決めた「成功」に向かって、自分で選び取っていくものだろうと思いました。
自分の働き方を考え直す、いいきっかけになった本でした。
では、また!