<交渉は自分の欲望との闘い>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
今日は、この本。
内容<amazonより>
同じ話し合いでも、伝え方や考え方を変えれば、結果はがらりと変わる。
本書では、人を動かし、人に強くなるための「交渉思考」の極意を全公開。
数々の修羅場をくぐりぬけてきた著者が「僕の30年の集大成」と言う本書。橋下徹が初めて明かす、超・実践的交渉術。
この本は、著者の橋下徹氏が、弁護士時代を経て、大阪府知事・大阪市長を務めた中で、どのように「成果を上げる交渉」を行ってきたか、その極意を紹介してくれる本なのですが、非常に勉強になりました。
そもそも、交渉とは何でしょうか?
著者の言葉を借りて言うと、
「自分の要望を1つ叶えるために、相手に1つ譲歩のカードを渡す行為」
ということです。
つまり、交渉とはすなわち要望を通す事というより、「譲歩すること」を指すということです。
まずここがスタートラインです。
だから交渉術というのは、イエスと言わせる心理的テクニックなどの類ではなく、
「どうしても得たいものと、譲歩できるものを分類する、優先付け作業」
ということになります。
筆者が描く「タフネゴシエーター」の姿というのは、
相手をガンガン押し込んでいく人ではなく、
「膨大な交渉事項について優先順位をつけていく作業に耐えられる者」
ということになるんですね。
まぁ、そんなの当たり前じゃん、と思う方もいらっしゃるでしょうが、
私はここまで読んで、ある意味コペルニクス的発想だと思いました。
自分の要望を通すために必要なこと、それが、「自分の要望を捨てていく」ことにほかならないからです。
「あれも、これも」ではなく、「これを取るために、あれを捨てる」。
この捨てるものを決めることこそが交渉術の極意だということです。
筆者はそれを「自分の欲望との闘い」と表現しますが、まさに敵は外部ではなく内部にあるということですね。
自分の本当に得たいもの、それを絞り込む。究極的には1つの得たいもののために、残りの全てを譲歩する、そんな交渉もあるんですね。
橋下さんが知事になりたての時は、議会では維新の党の勢力が全然なく、ことごとく提案が否定されてきました。
そんな状況の中から、最終的に大阪都構想の住民投票実施まで持ってきたのは、道中このような交渉を繰り返してきたんですね。
この住民投票や、当時話題となった関空・伊丹統合のエピソード(裏話)などを、交渉術の観点から語っているので、読み物としても純粋に面白かったです!
また、ケーススタディとして挙げられているトランプ大統領の交渉術も非常に面白いです。日々なんとなく見ているニュースの裏で、こんなことがあったのか、と純粋に興味深く読ませていただきました。
橋下さんは個人的にあまり好きではないけど、という方も、一読の価値ありだと思います!
では、また!