<とにかく「速すぎる」んだ>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
◆この本は
批評家、宇野常寛氏が語る現代の「速すぎるインターネット」に対する考察と新しい「関わり方」提案。
ボリューム:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
頭を使う:★★★★★
お役立ち:★★★★☆
◆この本に、ゴールはない。
最初に断り書きがあります。
「この本にはゴールがない。手探りで、迷いながら一緒に走るための本」
そういう本は好きです。結論を知りたいだけなら読書は速いし、本である必要すらないかもしれません。
しかし、この本は、読みながら一緒に考えていく、最後まで読むプロセスそのものが重要であり、じっさい私は第4章の提案部分「遅いインターネット」計画については、まぁ、そうだよねという感じで、もうエピローグ感覚で読んでしまいました(笑)
まさに本の狙い通りの反応をしてしまったわけで。
◆速すぎるインターネット
これは同感です。
私もツイッターやブログを見るときは、ほとんどの場合一番上しか見ません。それしか見られない、というのが現実かもしれません。
もしくは検索して見る。
当たり前ですが、世界中の一人一人が毎日のようにつぶやくから、その流れたるやとんでもないものです。
情報量が増えるとその一つ一つにかけられる注意資源は比例して小さくなっていくのは当たり前です。
そんなの到底見切れないのは当たり前のことで、そんな中で自分もさして面白くもないブログをこうやって書いているってのは、どうなんでしょうかね。
読まれなくて当然だし、もし読まれたいこと(ページビュー数の増)ばかり考えていたら、とっくに萎えていると思います。
そんな中だから、敢えてじっくり腰を据え、テーマについてよく考え、適切な言葉を用い、良質な文章を書こう、とするのが本書の結論「遅いインターネット計画」なのですが、個人的にはそこまでたどり着けることはありません。
こういった素人の雑記が関の山だということは知っています。
でも、そこで卑屈になる必要は全然なくて、むしろほとんどのブログやSNS利用者が若いころから文章を磨いているわけではない、ということも事実としてあるだろうと思います。
だからこそ、この速すぎるインターネットとどう付き合えばいいか、ということです。
◆広くなり過ぎた世界との関わり方
私がfacebookを初めて使った時、「世界中の人といつでもどこでも繋がれる」という衝撃がありました。友だちを何百人もつくれましたし、有名人とつながることも、うまくやればできました。
けれど、それだけでした。
メッセージを交換するにしても、何百人ともやりとりしているとそれだけで日が暮れてしまいます。(見るだけでも。)
しょせん自分はどこまでいってもひとりで、使える時間は限られているのに、どこか何だってできるような感覚になってしまっていたのですね(勘違い?)
先ほど言った注意資源が小さくなることを考えなくても、やっぱり何百人と付き合うことはできないし、無理しても楽しくないし、疲れるだけです。
自分なんかは、周囲で世界が広くなりすぎたからこそ、逆に小さいコミュニティを求めてしまっているなぁと感じたりしています。それは逃げかもしれませんが、それでもいいと思います。
速いインターネットを使えば、趣味の合う人がすぐ見つけられて、しかもその中でもコアな部分だとか、複数の趣味が合ってしまう人に出会うことなんかもできてしまいます。そんな人と出会い、コミュニティを作ることは簡単にできてしまいます。
そんなふうに、気の合う友達を見つけ、小さいコミュニティで、楽しく限られた人生の時間を(余暇を)過ごせれば、それで十分だと思うようになりましたね。
◆読む人によって、アウトプットが異なる本
この本はいくつかのテーマで構成されています。
・政治とインターネットの関わりの歴史、これからの関わり方
・グローバル化する経済の中で、自由に泳ぐのか分断に回帰するのか
・インターネットがおよぼすエンターテイメントの変遷
政治に興味がある人にも、エンターテイメントに興味のある人にも、社会学に興味のある人も、自分の行く末に不安を抱えている人にも、多くのヒントが詰まっていますので読んでみる価値は充分あるかと思います!
では、また!