みんなの日常哲学カフェ ~哲学カフェとか読書とか

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旧:ちくわのぴょんぴょん読書日記

「半脆弱性」(上) ナシーム・ニコラス・タレブ ①

<脆さの反対とは?>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

今日は、この本。

 

 

内容<amazonより>

全世界騒然の大ベストセラー!
『ブラック・スワン』のタレブ最高傑作!!


経済、金融から、人生、そして愛まで――。
この不確実な世界で私たちがいかに生きるべきか、
すべてに使える思考のものさし
「脆弱/頑健/反脆弱」をもとに解き明かす。

◆「万に一つ」が、明日来るーー。
世界最高の「知の巨人」が放つ最強の啓蒙書、ついに上陸


リーマン・ショック、アラブの春、
地震と津波、そして原発事故……。
昨日までは「ありえない」「絶対ない」と言われた事象が
今日、現実のものとなる不確実な世界。

ではどうすれば、ビジネスから、政治、医療、生活全般まで、
ランダムで、予測不能で、不透明で、物事を完璧に理解できない状況でも、
不確実性を味方につけ、したたかに生き延びていくことができるのだろう。

サブプライムローンに端を発する金融危機を喝破し、
ベストセラー『ブラック・スワン』で全世界に衝撃を与えてから10年。
世界最高の哲人タレブがついに見つけた「答え」、
それこそが、「反脆弱性(はんぜいじゃくせい)」だ。
「三つ組(トライアド)」で構成されるこの新しい「知」の本質を理解したとき、
あなたは不確実な環境にあっても、予測に頼らずに意思決定することができるだろう。

◆この本は

 

ボリューム:★★★★★(かなり厚い)

読みやすさ:★★☆☆☆(難しめ)

衝撃度:★★★★☆(驚きがある)

お役立ち度:★★★★☆(読んでおいて損はない)

 

とにかく最大の印象は「文章が長い」!

ここまで厚くする必要はあるんだろうか?と思います。そして、翻訳文も自分には結構難しくて読みにくい箇所も多いです。

上巻ですが読むのに1か月近くかかりました。

とても面白い内容でしたが、下巻を読もうかどうか、、。

「まんがでわかる」で出るのを待ちましょうかね(笑)

 

内容を敢えて一言でいうと、

「あなたが生き残りたいなら、『反脆弱性』を装備しよう!」

ということになるのでしょうが、この概念を理解すると、日々の生活にコペルニクス的転換が起こるかもしれません。

特にPDCAサイクル大好きな方々にとっては、、(自分もか)。

  

◆内容と感想

・反脆弱性とは?

「脆弱」=(衝撃などに)もろく弱い、という意味です。

その反対ですから、「頑丈」と思いますが、そうではありません。

さっそくここが最大のポイントです。

「頑丈」は衝撃に強いというただそれだけですが、タレブの提唱する「反脆弱性」は衝撃に強いだけでなく、その衝撃を糧にして成長するというものです。

 

では「衝撃」とは何でしょう。「ランダム性」と筆者は書きますが、突発的な事故や災害、エラーのことで、簡単に予測しえない事態のことを指します。

 

そしてこの「ランダム性」を糧にする「反脆弱性」が、人類の進歩繁栄のキーワードであるはずなのに、現代社会はこのランダム性をなんとしても抑え込んで、均してしまおうと躍起になっている、と続きます。

 

だからこの「反脆弱性」について一度正しく理解し、生き残りたいなら考えを改めてみましょう、というメッセージがこの本の主題になります。たぶん。

 

・進歩繁栄は「反脆弱性」が担っている

身の回りには、反脆弱性で説明できることが少なくありません。

・歴史は革命によって塗り替えられ、進歩する

・独裁国家より、地方分権のほうが結果的に長続きする

・イノベーションは計画的ではなく、試行錯誤によってしか生まれない

・弱い相手とばかり戦っていても、ゲームは強くなれない

・筋トレは、敢えて負荷をかけて体を強くする

 

つまり、一定量の負荷が、人や組織を却って強くする、ということです。

しかし、いっぽうで負荷はストレスとして、できるだけ避けようとするの側面もあるのが事実です。

 

確かに、私たちは、暑さ寒さや湿度、日焼けや虫刺され、椅子の硬さや食べ物の調理方法に至るまで、あらゆる面で「快適に過ごそう」とするあまり、それが「脆さ」につながっているという意識がすっかり抜け落ちてしまっているようです。

 

・まだ続きます。

まだ内容紹介と感想は始まったばかりのような気がします。時間が来ましたので、続きは日を改めて。

 

では、また!