<年60万円の「自爆」!>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
JAは、「農業協同組合」本来の理念や目的を忘れてしまったのではないか?
共済(保険)事業と信用(銀行)事業に依存し、職員に過大なノルマを課した結果、
いまや多くのJAで「不正販売」と「自爆営業」が蔓延っている。
元「日本農業新聞」記者である著者が、農協を愛するがゆえに書かざるをえなかった、
渾身の告発ルポ!
全国津々浦々に拠点を持ち、1000万人以上の組合員を抱える巨大組織の闇を撃つ。
<本書の内容>
・JA職員が自爆営業を強いられている決定的証拠
・損するだけの共済商品に切り替えを勧める職員たち
・介護状態にならずに死ぬと1円も戻ってこない「介護共済」
・受け取り開始が90歳設定の「年金共済」に意味はあるのか
・高齢者や認知症の人に営業、半ば強引に契約
・ノルマ地獄を逃れるため、職員は続々と転職
・存続のためだけの、理念なき合併に突き進む地域のJA
・権力闘争に明け暮れる経営者たち
・史上稀に見る76億円の巨額損失を計上した「JA秋田おばこ」
・津軽と南部の対立で役員不在となった「JA青森中央会」
・梅農家の苦境を放置し、業者と結託する「JA紀南」「JA紀州」
・組織の論理に搦め捕られた「JA全中」会長
腐敗の構造を徹底取材!
◆この本は
ボリューム:★★★☆☆(普通)
読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)
気付き学び:★★★★☆(こんな世界もあるのだという衝撃)
考える :★★★☆☆(知るということは大切なこと)
共済やカタログギフトの「自爆」金額は1人あたり60万円。これじゃ職員は去っていくし、不正に付き合わされる組合員も不幸です。原因は過大なノルマにあるとはっきりしているのに、一向に変われない腐敗した組織。実名を交え語られる内容がリアルで興味深いです!
◆内容紹介・感想
この本は、前半部分が共済営業やその他自社製品の買い取りによる「自爆」の実態について述べられています。
後半部分は、特に上層部の腐敗について実例を交えて書かれています。
自分は特に前半の「自爆」について興味深く読み、印象に残りました。
保険の営業と言えば、かんぽ生命の不正販売が大きな事件となり取り上げられたことは記憶に新しいですが、JAもなかなかに強烈なものだということがわかりました。
不正の内容としては、かんぽとJAは似たようなところがあります。親元であるかんぽ生命が、郵便局を代理店として販売してもらう事により手数料を支払う。郵便局としてはこの手数料を貴重な収入源とみなし、局員にノルマを課して販売させていく。そのうち、行き過ぎたノルマにより、不必要な保険切り替えなどの不正販売につながっていく、という構図だったと思いますが、JAにおけるそれもまさに同じようなものでした。
JAの保険を販売する団体はJA共済という上部組織になるのですが、そこが企画した保険商品を地域のJA職員が販売することで、JA共済から手数料が支払われます。
その販売手数料が地域のJAにとっては収入の大部分を占めてしまい、依存度が高くなることで、ノルマが生じていく、という構図ですね。
ノルマがきつくなると、詐欺まがいの不正営業や、さらには組合員の預金口座を勝手に作成し、それを使って共済を販売するという犯罪行為もなされていました。
そして、JAにおいては共済商品だけにとどまらず、「旬鮮俱楽部(カタログギフト)」「新茶」という団体内の企画商品の購入(共済とあわせて、『自爆三品』というらしい、、)や、農業新聞や機関紙「家の光」の購読にもノルマが設定されています。
取材先のJAにおいての職員の自爆金額は、共済販売を担当する職員の平均的なもので年60万円ぐらい(!)だといいます。平均でこれだから、多い人は100万を超えるそうで、これはなかなか衝撃の金額です。
「ボーナスはないものと思え」と言われるとのことですが、この金額はさすがにないですね。
これでは、家族に「お願いだから、転職してくれ」と懇願されるでしょう。
もう少し書いていきたいと思いますが、続きは日を改めたいと思います。
では、また!